Google Ad Grants(非営利団体向けの広告費助成制度)

NPO法人などの非営利法人が Google 広告 を利用するにあたって、Googleが月10,000ドル分の広告費を助成してくれるサービスがあるのをご存知でしょうか?参加要件がややこしく、アカウントの発行から難しかったりしますが、本記事では Google Ad Grants の仕組みや運用の基礎を詳しく解説しています。ご参考になれば幸いです。

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目次

Google Ad Grantsとは

Googleは様々な社会貢献につながる支援活動を行なっているのですが、その中に非営利団体を支援する広告費の助成制度があります。

このサービスを利用すると、Googleの検索に表示される広告を利用して事業の認知を広めることができます。「活動内容を広めたい」「寄付を募りたい」「ボランティア参加者を集いたい」「イベントの集客をしたい」などの目的に活用することができます。

広告費に換算すると月10,000ドル(100万円を超える金額)となります。年間では1,000万円以上の広告費を利用することができるので大きな力になる可能性を秘めています。

ただし、利用を開始するには「資格に関するガイドライン」に適合している必要があります。Google Ad Grants を利用する必須条件として「非営利法人であること」が第一の関門となります。

(i)公益社団法人、(ii)公益認定等委員会により認定された公益財団法人、(iii)市や都道府県により認定された特定非営利活動法人、(iv)市や都道府県または厚生労働省により承認された社会福祉法人、(v)法人税法に定められている非営利型法人に該当する一般社団法人、のいずれかとして登録されている必要があります。

また、以下に該当する団体は、「Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラム」を利用することができません。

政府事業体や政府機関
病院や医療団体(ただし、医療団体に関連する慈善部門や財団法人は可)
学校、学術機関、大学(ただし、教育団体の慈善事業部門は可)。

利用開始までの手順

Google Ad Grants を利用するには、Google for Nonprofits(非営利団体向けプログラム)への申し込みを行います。

お申し込み内容の審査には、通常 2~14 営業日ほどかかります。Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムを利用するための団体の審査は、Google の審査担当パートナーである Percent が行っています。Percent から、お客様の団体の状況や、お客様がその団体に所属していることの確認のために、詳細な情報や書類が求められる場合があります。

Google for Nonprofits | 非営利団体向けプログラムを使ってみる

Percent の審査を受ける

※以前は「テックスープ ジャパン」への登録を行い参加資格を得る必要がありましたが、現在は審査機関が変わっているようです。

審査が完了して、Google for Nonprofits のアカウントが有効になると、管理画面から管理者を追加することができるようになります。
代表者さま以外の担当者さまがいれば、管理者権限を付与しておくと、ウェブ担当者が実務にあたることができます。また、担当者ごとに権限管理をしておくと、担当者の退会時にも慌てずに対応できるかと思います。忘れずに設定しておきましょう。

管理権限の設定方法

余談にはなりますが、非営利団体向けプログラムでは、Google Workspace for Nonprofits が無料で提供されています。Google Workspace も割引で利用することができるので、会社のメール環境が整っていない場合は、業務環境の整備も併せて検討しても良いかと思います。

Google Workspace for Nonprofits を有効化する

Google Workspace の非営利団体向け特典

Google Ad Grants を有効化する

Google for Nonprofits のアカウントが有効になっていれば、管理画面から Google Ad Grants のアカウント発行を進めることができます。

Google Ad Grants 有効化ガイド

発行時の注意点として、Ad Grants アカウントと Google for Nonprofits のアカウントのユーザー名は同じにする必要があります。
複数のGoogleアカウントにログインした状態だと、「申し込み」などのボタンを押して遷移する際に、意図しないアカウントで登録や連携が進んでしまうこともあるので、ブラウザを使い分けるなどして1つのGoogleアカウントにログインした状態で進めるのが安全です。

また、WebサイトがHTTPSで保護されている(https://〜のURLでアクセスできる)状態でなければならないので、古いホームページをずっと使い続けているなどで、常時SSL/TLSに対応できていない場合は、Webサイトの改修から検討する必要があります。

上記の注意点を守り、所定の手順で有効化リクエストを送信することで、審査を受けることができます。
登録情報などに問題がなければ、数日で審査が完了し、Google Ad Grants を利用できるようになります。

広告の運用を開始する

実際に広告を運用するには、Google広告の仕組みを理解していなければ難しいことや、Ad Grants特有の制限に合わせた運用が必要となります。全体像は Ad Grants のヘルプ をご確認ください。

Google Ad Grantsでは、検索広告(検索結果に表示される広告)を利用することができます。
1 日の予算は $329 USD(月間 $10,000 USD 程度に相当)と決められていて、クリック単価の上限は $2.00 USD の入札制限もあります。通常のGoogle広告で出稿している広告主よりも掲載の優先順位を下げられるといった、基本ルールもあります。
通常のGoogle広告アカウントでは必要な「お支払い情報入力」の要請は無視するといった変わったルールもあります。

基本的なルールは下記を一通り目を通しておいた方が良いです。

プログラム ポリシー

ウェブサイトに関するポリシー

アカウント管理に関するポリシー

また、Google Ad Grantsの資格を維持するために、Ad Grants ポリシー準拠ガイド も用意されています。

代表的なものでは、以下の制約があります。

  • 1 語のキーワード、一般的なキーワードは利用できない
  • 品質スコアが 2 以下(関連性が低いキーワード)は利用できない
  • 毎月 5% 以上のクリック率(CTR)を維持しなければならない
  • 有効なコンバージョン トラッキングを実装しなければならない

コンバージョン トラッキングは、一般的な企業でも設定がうまくできていなかったり、つまずきやすいポイントでもあります。品質スコアは広告代理店でも正確に理解していない人も居たりします。さまざまな制約がある中、基本的なGoogle広告のポリシーも守りながら運用するのは、大変な業務となります。

スマート アシスト キャンペーン専用のアカウントを利用することで、アカウント設定が簡単になったり、5% 以上のクリック率を保つ要件が免除されるなど、手間を少なくする方法はありますが、意図した通りに広告を表示できなかったり、予算を使いきれないなど、別の課題が生まれてくることもあります。

もし、Google Ad Grants の広告運用にお困りならば、お気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

石橋 敬太郎のアバター 石橋 敬太郎 AdRegion Inc. CEO

株式会社アドリージョン 代表取締役。私は「Web制作」「集客」「経営」の知識を、満遍なく持ったオールラウンダーです。デジタル・マーケティングの領域を中心に、スモールビジネスの宣伝に必要なすべてをワンストップでサポートするIT顧問サービスを提供しています。

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