ドメインの所有権を他人に握らせるな!

ドメインはウェブ上の「住所」と言うのが最も噛み砕いた説明になりますが、ドメインは「すべてを司る鍵」とも言える存在です。取得するまでは簡単ですが、思った以上に深いところまで説明するので心してかかりましょう。

ドメインは全ての「上流」であり「入口」となるものです。ドメインは「ブランド」や「ステータス」に通じるものでもあり、所有者(情報発信者)の「証明」にもなる重要な役割もあります。

抽象的な言い回しに聞こえるかもしれませんが「とにかく大事な物」と理解していただければOKです。

ドメインはたくさんの種類があります。一昔前ならCOMが主流でしたが、最近ではJPを利用することが多くなりました。基本的には誰でも自由に取得することができるのですが、JPドメインは原則として日本に住んでないと取得することができなかったり、COJPドメインなら法人登記してないと取得できないなど、ドメインによって取得のルールや料金が変わってきます。

中には1円で取得できるドメインもありますが、迷惑メールや詐欺サイトで使われる印象や、「費用を抑えてるのですぐに事業撤退するのでは?」という印象を与えかねないので、登記している会社ならCOJPドメインを利用しましょう。ウェブサービスやブランドサイトならJPドメインを利用し、海外展開もするならCOMでも許容するような使い分けがおすすめです。

ドメイン名は空き状況を調べて、誰にも取得されていなければ、年間契約ですぐに取得することができます。

ドメイン名を決める際には、長すぎたり、ハイフンを入れたりすると、電話でメールアドレスを伝える機会が多い場合は面倒になります。特に営業主体の会社では深刻な問題になります。

すでに希望のドメインが取得されてるからといって後ろに数字を入れたりすると、詐欺サイトと見分けがつかなくなる懸念もあるので注意しましょう。

こうした事情に慣れてる人はドメインの空き状況を調べてから屋号やサービス名を決めてます。笑

ドメインはホームページのURLやメールアドレスに使われるだけのように見えますが、その裏側ではサーバーの接続先を指定したり、様々なサービスとの連携、ドメイン所有権の証明など、複雑な設定があることを把握しておきましょう。

具体的に複雑な設定とは「ネームサーバー」と「DNSレコード」という仕組みなのですが、ほとんどのケースでは、ドメインを取得してレンタルサーバーが指定するネームサーバーを設定するか、レンタルサーバー経由でドメインを取得すれば、ほとんど操作が必要ないため、このあたりを深く掘り下げなくてもホームページを公開できてしまいます。

その「できてしまいます」というのが厄介で、複雑な設定に触れることなく存在すら知らないので、「本当は必要なのに放置している」というケースがあるからです。

わかりやすい例だと、MXレコードを変更するとメールサーバーの接続先を切り替えることができたり、ホームページのフォームやメルマガ配信システムから送ったメールが迷惑メールフォルダに入ってしまう事象は、SPFレコードの設定を行うと防ぐことができます。

ホームページのURLになるドメインには「サブドメイン」というものを設定することができます。「www」の部分を「blog」「shop」など自由な文字列を指定して、ブログサービスやネットショップに割り当てることもできます。事業ごとにサブドメインでウェブサイトを作ることもできます。

なので、ドメインがひとつあれば様々なサービスを利用できます。サブドメインを利用すれば、各ウェブサービスを利用するために、わざわざ新しいドメインを用意しなくても良いのです。

とはいえ、「別にドメインをたくさん所有して、いろんなウェブサイトを公開しても良いのでは?」と思われるかもしれませんが、それは避けるべきです。

ドメインは「誰でも簡単に取得できる」というのが厄介で、手放したドメインを他の誰かが再利用することも可能です。また、似たような名前で複数のドメイン展開すると、詐欺サイトを作られた時に弁明するために「弊社が所有して公開するドメインは以下になります…」と、全て網羅しなければお客様に伝える事ができなくなります。お客様は「そもそもドメインって何?」くらいの認識なので、そういった告知も伝わりにくいものになります。

こうした事情を踏まえると、再利用を防ぐためには一度公開したドメインを手放せなくなり、ブランドを守るために無闇にドメインを取得していると、会社を畳むまでドメインを手放すことが出来なくなり、1ドメイン年間数千円の費用でも膨大な維持費になってしまいます。

すでに運用中のホームページがある場合でも、URLは適切に転送処理すれば検索順位を維持したまま変更することも可能です。メールアドレスも転送することは可能ですが、名刺などの印刷物は変更しなければならないので、創業初期からCOJPドメインを利用しておけば、無駄な手間やコストはかかりません。

なお、COJPドメインは原則として一事業者にひとつと決められてるので、変更する場合は複雑な申請が必要になることは頭の片隅においておきましょう。

日本国内で事業を展開する会社ならばCOJPドメインと、同じ名前のJPドメインの両方を取得しておけば、ひとまず安心です。

ここまで把握してから「どこでドメインを取得するか?」という話に進められます。ドメインは全ての上流で接続先を決める「切替機」のような存在のため、可能な限り「ドメイン取得サービス」を利用して、接続先のサービスと切り離して管理するべきです。

レンタルサーバー等が提供している取得サービスを利用すると、サーバー移転をした後も解約できなかったり、ドメインを移管してサーバーを移転すると2回のダウンタイムが発生することになり、業務に支障が出る可能性があります。

ドメイン取得サービスは、お名前.com、ムームードメイン、バリュードメイン、の3社が多く利用されていますが、いずれもGMOグループの傘下になってます。

お名前.comを利用している方が多いのですが、管理画面が扱いにくく、通知のメールがかなりしつこいので個人的には嫌いです。

ムームードメインは初心者向けでわかりやすいのですが、DNSレコードの変更が反映されるのが遅く実務的に扱いにくいところがあります。

ということもあって、バリュードメインがメールの案内もしつこくなく、高度なドメイン設定を管理しやすいのでおすすめです。

長い説明になりましたが要約すると、「ドメインを取得・管理するサービスは慎重に選ぶべき」というお話でした。

無言でも、シェアしてくれるだけで嬉しいです
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

石橋 敬太郎のアバター 石橋 敬太郎 AdRegion Inc. CEO

株式会社アドリージョン 代表取締役。私は「Web制作」「集客」「経営」の知識を、満遍なく持ったオールラウンダーです。デジタル・マーケティングの領域を中心に、スモールビジネスの宣伝に必要なすべてをワンストップでサポートするIT顧問サービスを提供しています。

少額の予算でも広告運用のプロがサポート
Google広告 運用代行

月額 17,600円(税込)の定額制コンサルティング!経営者様とタッグを組み圧倒的なスピード感で集客体制を構築します。

目次