当社ではHubSpotの導入を全力で推しています!と言いながら正直なところ扱いづらい部分もあるので、実際には無料プランでとりあえずアカウントだけ用意していただき、興味を持ってくれたお取引先様だけに案内しています。
個人的にはHubSpot社の考え方も好きなので、ものすごい熱量でおすすめしたい所ですが、温度差を感じて押し売りっぽくなるのもアレなので、思いの丈をブログに綴っておきます。
結構古くからあるツールなので、過去の職場で使っていたとか、名前だけは知っていたりする人も多いかと思いますが「なぜ今、HubSpotなのか?」を、SEOとマーケティングの視点も含めてお伝えできればと思います。
HubSpotとは
HubSpotにはさまざまな機能が備わっています。一言で言うならCRM(顧客関係管理)のシステムです。メールアドレスを軸とした顧客情報をもとに、マーケティング、セールス、カスタマーサービスなど、自社との最初の接点から顧客となりお得意様(HubSpotの概念ではエバンジェリスト)と呼べるまで、BtoBに限らずBtoCでも、取引を続けていく中でのやりとりを、すべて履歴に残して活用するためのツールです。
ウェブサイトを作るためのCMS(コンテンツマネジメントシステム)も用意されています。
グローバル企業なので開発力も高く機能もどんどん追加され、日本語のローカライズもされていて、サポートの評判も良い、至れり尽くせりなツールですが(その反面で、利用料金が高いとか追加される仕組みを覚えるのが大変などデメリットもあります)が、すべてを説明すると本題に入れないので、詳細は公式サイトをご確認ください。
なぜHubSpotが必要なのか?
顧客との関係を良好に保つため、社内での情報共有を円滑に行うため、マーケティングを自動化するため、データ分析を行うため、各機能を使いこなす事で様々なメリットはありますが、「今」のタイミングで検討したいのは別の理由があります。
サードパーティクッキー問題
端的に説明すると個人情報の取り扱いが厳しくなっている昨今、ウェブサイトでのトラッキングもプライバシー情報として扱う流れで、規制が厳しくなる方向に向かっています。
その中で広告経由のトラッキングやコンバージョン計測の仕組みも難しくなり、複雑な設定をしなければ正確な数値が把握できないケースも増えています。また、ユーザーの行動も多彩になり、ウェブサイトに最初に訪問してからコンバージョンに至るまでの接点や期間、評価(アトリビューションやデータドリブン)の考え方も時代と共に変わってきています。
こうした背景の中、HubSpotのトラッキングは1社の仕組みで最初の訪問時の流入元からコンバージョンに至るまでを計測する事ができるので、集客の分析体制を作るのが圧倒的に楽になります。そして顧客関係管理のシステムではコンバージョンがゴールではなく、その後の成約や長期的な取引の分析まで行う事もできます。(この辺りを具体的に説明するとサードパーティクッキーが問題視されるのも納得な気持ち悪さが露わになるので口を閉ざします。笑)
マーケティング分析の視点で考えた時、これだけでも導入を検討する価値は十分にあります。
GA4移行での躓きを防げる
サードパーティクッキー問題とも関連し、Googleアナリティクスも根本的な仕組みから改修(全面的な作り直し)を余儀なくされ、GA4への移行が半強制的に行われます。これはGoogleアナリティクスのバージョンアップではなく、新規導入に違い形になります。
従来のアナリティクスで慣れた分析方法も使えなくなり、同じような数字を見ることはできるけど、全く違う概念でアクセス分析に取り組まなければなりません。
新しく導入する学習コストを考えた時、ウェブサイトのアクセス規模によっては、そもそもGoogleアナリティクスが必要なのかを見つめ直すタイミングにもなります。
Googleアナリティクスは「共通言語」のようなもので、他社と比較したアクセス数やコンバージョン率を見る場合には、同じプラットフォームで計測した数値で比較するべきでしたが、自社の数値だけを見つめ、扱いやすい分析ツールを選べば良い、それを検討するタイミングが今だとすると、HubSpotも選択肢のひとつに挙げられます。
ページ表示速度の改善
ユーザーの利便性やSEOを考えた時、ページの表示速度も考慮しなければなりません。多くのアクセス解析ツールはページの表示を遅らせ、ユーザーがページを開き操作できるまでに時間がかかってしまいます。
集客チャネルを増やしていく中で、分析のトラッキングタグをあれもこれもと入れていくと、たちまちユーザーの利便性は失われていきます。極端に表示が遅いサイトは検索順位も不利になり、集客のことを考えるほど、収益を失う悪循環になる可能性もあります。
トラッキングはなるべくシンプルに、ユーザーの利便性を考慮して開発されたツールを選ぶ。となると顧客と流入元が紐づいて見られるHubSpotは、ページの表示速度を保ちつつ分析もできてしまう優れものなのです。
コンタクトフォーム7のスパム問題
そして最後に、WordPressのコンタクトフォーム7を利用してる方のみに関わる問題です。WordPress自体がスパムの標的になりやすいものでしたが、その標的は多くのユーザーに利用されてるコンタクトフォーム7のプラグインにも及んでいます。スパムも耐え難い数になり、対策としてreCAPTCHAを導入するしかありませんでした。
コンタクトフォーム7のインテグレーションで設定できるreCAPTCHAのv3はスパム判定の精度は高いものの、フォームが設置されているページ以外の全ページで読み込まなければ効果を発揮できず、ページの表示速度改善に取り組む中で足枷となります。
v2に下げてスパム判定の精度を下げるくらいならば、根本的にWordPressのプラグインを使うのをやめてしまえば良いという結論に至りました。
では、代替のフォームを何にするかと考えた時、自社サイトとは別ドメインの独立したフォームか、自社サイトに埋め込みできるもので迷いました。
マーケティングの視点では広告からのコンバージョン計測を行えるものが必須条件です。別ドメインのフォームだとサードパーティクッキーの問題が絡み、サンクスページを自社ドメインに戻してもページビューでコンバージョンタグを発火させると重複計測が発生する可能性もあります。
埋め込みのフォームで送信が正常に行われた時だけトラッキングコードを発火させる事ができるのが理想的。そんな都合の良いフォームがHubSpotでした。
導入のご相談もお気軽に!
HubSpotだけに限らず、ただツールを導入するだけなら簡単かもしれませんが、ウェブサイトの運用を続けていく中では変化に適切に対応していく必要があります。
そんなこんなで、HubSpotのインバウンド認定コースで基礎から学び、社外からでもサポートできる体制を作っています。
まだまだ把握していない部分も多く、自社でも使いながら少しずつ運用体制を整えています。
Solutions Partnerになるためには従業員5人以上必要とかなんとかで長すぎる道のりなのでゆるりと勉強します。
とりあえずパートナー検索に紛れ込んでいます。