会社のメールアドレス管理とメールサーバーの選び方

個人のお店のメールアドレスならばフリーメールで事足りることもありますが、法人としてメール運用を考える時、アドレスの発行やパソコンの設定など、誰もが使いやすいメール環境を整えるのは結構大変なことです。

レンタルサーバーを選ぶ際に押さえておきたいポイントや、メールアドレスを管理する上で必要な知識を紹介します。

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目次

会社のメールアドレスの作り方

会社独自のメールアドレスを利用するには、独自ドメインを取得してレンタルサーバーを契約しなければなりません。ドメインとサーバーの契約を済ませるとレンタルサーバーの管理画面から自由にメールアドレスを発行することができます。

法人登記しているのであれば、「co.jpドメイン」を取得されるのが良いかと思います。昔はホームページといえば「.com」でしたが、最近では「.jp」がスタンダードになってきてます。

COMなら1000円程度、JPドメインなら年間3,000円台で契約できます。使いたいドメインが空いてるかどうかは、ドメイン管理会社のトップページの検索で調べることができます。

メールアドレスの決め方

ドメインを決めればメールアドレスの前半部分は自由に設定することができます。絶対にこれでなければならないというルールもないので、自由に決めて良いのですが、統一した命名規則を用意しておくと、管理が楽になります。

社員のメールアドレス

従業員が少ない中小企業であれば苗字だけにするのがシンプルで良いですが、同性の従業員が居ると困ることがあります。

フルネームで「sei.mei@example.com」にするか、名前の頭文字を含めた「m.sei@example.com」などの命名規則を用意しておくと統一感があります。

「m-sei@example.com」のように姓名の区切りをドットにするかハイフンにするかも迷うところではあります。

お問い合わせ窓口

ホームページに記載するメールアドレスは「info@example.com」が多いですが、あまりにも一般的すぎて迷惑メールが来る可能性が高くなります。できればinfoを使うのは避けて「contact@example.com」などのアドレスが良いかと思います。

個人的にセンスが良いなと思うアドレスは「reception@example.com」です。レセプションは「受付」以外にも「歓迎」といった意味合いも含むので、窓口にはぴったりかと思います。綴りが覚えにくいのはデメリットですが…

代表のメールアドレスはinfo以外で

代表と言っても代表取締役ではなく、代表電話の意味合いの「代表メールアドレス」です。大事なことなので2回目にはなりますが、infoは避けましょう。

また、1つのメールアドレスを複数人で管理する場合は、POP設定で送受信するのではなく、IMAP設定で共有したり、ウェブメールを使った方が送信メールも共有できるので便利です。

代表メールアドレスの管理者が多い場合は、受信専用として扱い、転送設定して各個人から返信するような運用体制にするのも良いです。グループウェアを利用していると、例えばinfoのアドレスに届いたメールを、各個人が受信して、返信するときは自分のアドレスかinfoから返すか選ぶことができる仕組みもあります。

ひとまず「窓口」と「個人」を分けて考えることができれば、メールアドレスの決め方もイメージが掴めてくるかと思います。

メールアドレスの管理

会社のメールアドレスは個人ごとに発行したり、ホームページのお問い合わせ窓口用に発行するなど、複数のメールアドレスを管理することが多いかと思います。最低限でもアドレスを発行し、パソコンのメールソフトで送受信する設定ができる人員が必要となります。

メールアドレスの発行

ほとんどのレンタルサーバーでは管理画面にログインし、自分でメールアドレスを発行しなければなりません。管理画面の使い方はサーバー側のサポートにも教えてもらえるので、アカウントを決めてパスワードなどを設定すれば簡単に発行することができます。

メールソフトの設定

最近ではレンタルサーバーにWebメールの機能があるので、ブラウザからメールの送受信を行うことができます。

しかし、パソコンのメールソフトで送受信するには、はじめに受信設定を行わなければなりません。

少人数の中小企業ならばパソコンの設定を一人で賄うこともできるかと思いますが、人数が多くなれば設定の手間やトラブル対応に追われることが増えるので注意が必要です。

グループウェアだと管理が楽に!

パソコンにインストールされているメールソフトを利用すると、「メールソフトが立ち上がらなくなった」「パソコンが壊れてメールが消えた」などの理由で業務が止まる事があります。

Google WorkspaceやMicrosoft 365などのクラウドメール環境を利用すると、ローカル環境に依存せずに、ブラウザ上でメールの送受信を行うことができるので、こうしたトラブル時の手間を大幅に削減することができます。

メールアドレスの発行もグループウェア側で行うことができるので、管理が楽になります。

メールサーバーの移転は大変

新しく立ち上げた会社や、新サービスで使い始めたドメインならば自由にメールサーバーを選ぶことができますが、メールの運用を始めるとサーバーを変更するのはかなり難しくなります。

サーバーの切り替え時に最大72時間程度はメールの送受信が不安定になります。会社の場合は全社員のパソコンのメールソフトの受信設定を変更しなければなりません。少数精鋭のIT企業なら設定を変えるくらい簡単かもしれませんが、一般的な企業では各個人に変更してもらうのは難しいとこが多いです。なので、「試しに使ってみて良くなかったら別のサーバーに変えよう」という考えオススメできません。

できれば将来性も考えて信頼できるレンタルサーバー会社を選び、長期的な事業計画を見据えた上で最善の組み合わせを考える必要があります。

Webサーバーとメールサーバーの違い

レンタルサーバーを契約してホームページを公開していると、メールアドレスを発行する機能があるからなんとなく使ってるという人も多いかと思います。

基礎的な仕組みを噛み砕いて説明すると、ホームページを公開するためのデータと受信したメールは、パソコンで言うと別々のフォルダに保存されます。また、ホームページとメールはそれぞれ別のパソコン(サーバー)に保存することもできます。

1社のレンタルサーバーと契約しホームページとメールが同じサーバーに保存されるケースや、ホームページとメールは別のサーバーに保存されることもあります。さらにはホームページとメールを別々の会社で管理する場合もあります。

サーバーを分散してトラブルを回避

ホームページとメールを同じパソコンに保存するとなると、ホームページのアクセス負荷が高くなった時に、メールの送受信ができなくなったり遅延を起こすことがあります。またサーバーのメンテナンスやトラブル時に「ホームページは見れないし、メールも届かない!」なんてことも起こります。

Webサーバーとメールサーバーを分けて置くことで、「ホームページは見れないけどメールは送受信できる」「メールは送受信できないけどホームページは見れる」と言った具合にリスクを分散することができます。

共有サーバーのデメリット

Webサーバーとメールサーバーが同じサーバーにあり、さらに複数のユーザーが使う共有サーバーだとどうなるでしょう?自身のサイトやメールの負荷ならともかく、他のユーザーが負荷をかけた場合のリスクも伴います。

ビジネス用途で業務が止まると困る場合は、専用サーバーやWebサーバーとメールサーバーを分散する重要性に気がつくはずです。

メールサーバーの選び方

メールがどのサーバーに届くかはDNSサーバーのMXレコードで管理することができます。この「DNSサーバー」を理解していればメールサーバーを自由に変更することができます。もし難しいと感じるならば、レンタルサーバーに付属したメールサーバーを使う方向で契約するサーバーを検討するのが良いです。

メールサーバーを選ぶ時のポイントがいくつかあるので紹介します。

メールボックス容量

1アカウントで保存できるメールの容量を決めて利用するサーバーだと容量がいっぱいになった時にメールが受信できなくなったり、古いメールが自動的に削除される場合があります。容量無制限のサーバーもあるので、長期的に運用するならちゃんと調べてから契約するのが良いです。

メールの送信数制限

サーバーによっては負荷軽減のために、1時間に送れるメールの数に制限をかけているところがあります。社内メールや取引先とのやりとりでは、よほどのことがなければ制限にかかることはありませんが、メールマガジンを送る場合は注意が必要です。

添付ファイルの容量上限

最近では100MB程度の添付ファイルを送受信できるサーバーがほとんどですが、中には数MBが上限のところもあります。よくある質問やヘルプにしか記載されていないことが多いので、契約前にチェックしておくことをおすすめします。

メーリングリスト機能

特定のアドレスにメールを送ると、設定したメンバー全員にメールが届く機能があります。メールの転送でも代用できますが、管理画面から受信メンバーを選択したり、過去ログをチェックする機能などがあるので、メーリングリストの機能に対応しているか確認しておくと便利です。

迷惑メール対策

長くメールを利用していると迷惑メールが増えて困ることもあります。

サイト上にメールアドレスを公開しない、各個人はメルマガなどに申し込まない、変なメールがきても無視する、などの細い運用ルールを守っていれば迷惑メールが増える可能性も減らすことは多いのですが、会社の従業員が増えるとリテラシーのレベルを均一に保つのも難しくなります。

個人の運用体制に任せてメールソフト側で対策することも良いのですが、サーバー側でブロックすることもできるので、そういった昨日が備わってるかを、はじめに確認しておくのも大事です。

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この記事を書いた人

石橋 敬太郎のアバター 石橋 敬太郎 AdRegion Inc. CEO

株式会社アドリージョン 代表取締役。私は「Web制作」「集客」「経営」の知識を、満遍なく持ったオールラウンダーです。デジタル・マーケティングの領域を中心に、スモールビジネスの宣伝に必要なすべてをワンストップでサポートするIT顧問サービスを提供しています。

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