インターネットを活用して仕事や人材を探すことが当たり前になった今、企業や個人が独自の求人情報サイトを持つ価値はますます高まっています。しかし、「求人サイトを作るのは難しそう…」「専門知識が必要では?」と感じる方も多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、WordPressと無料プラグイン「WP Job Manager」を使った求人情報ポータルサイトの構築です。専門的なコーディング知識がなくても、必要な機能を揃えた求人サイトを効率的に作ることができます。
本記事では、WP Job Managerの導入からカスタマイズ、実際の運用まで、ステップごとに丁寧に解説していきます。これから求人サイトを立ち上げたい方はもちろん、副業や地域密着型の人材マッチングを考えている方にも役立つ内容です。
WP Job Managerの基本情報
WP Job Managerは、WordPressサイトに求人情報機能を簡単に追加できる無料プラグインです。Automattic社(WordPress.comの運営元)が開発しており、信頼性と拡張性に優れた設計となっています。求人情報の投稿や管理、検索機能など、求人ポータルサイトに必要な基本機能がシンプルにまとまっているのが特徴です。
主な機能
- 求人投稿機能:企業や管理者が求人情報を投稿できるフォームを提供。
- 応募機能:応募者が簡単にエントリーできる応募ボタン付きの求人詳細ページ。
- 検索・フィルター機能:キーワード、勤務地、雇用形態などで求人情報を絞り込むことが可能。
- 求人ダッシュボード:ログインユーザーが自分の投稿した求人を管理できる画面。
- ショートコード対応:[jobs] [submit_job] [job_dashboard] などのショートコードで簡単にページを作成可能。
無料版と有料アドオンの違い
WP Job Managerの基本機能は無料で利用できますが、以下のような有料アドオンを追加することで、より高度な求人サイトを構築できます。
- Application Add-on:応募履歴の管理機能を追加。
- Resume Manager:求職者が履歴書を登録・公開できる機能。
- WC Paid Listings:WooCommerceと連携して求人掲載を有料化。
- Job Alerts:求職者が希望条件で新着求人の通知を受け取れる機能。
これらのアドオンを使うことで、運用者のビジネスモデルに合わせた柔軟な求人サイトが実現できます。
環境準備
WP Job Manager を利用する際は、既存のWordPressサイトに組み込むことも可能ですが、求人情報に特化したサイトとして独立して運用することをおすすめします。その方が情報の構成や導線設計がシンプルになり、訪問者にとっても分かりやすいサイトになります。
WordPressのインストール
まずは新規にWordPressサイトを立ち上げましょう。サーバー契約時に用意されている「WordPress簡単インストール機能」を使えば、数分で立ち上げが完了します。XserverやConoHa WING、ロリポップなどの国内レンタルサーバー各社がこの機能を提供しています。
テーマの選定
WP Job Managerに対応しているテーマを使うことで、求人情報の表示レイアウトが整い、最小限のカスタマイズでサイトの完成度が高まります。中でも特におすすめなのが、無料で使える Espy Jobs テーマです。
- Espy Jobs(無料):WP Job Managerの公式テーマで、シンプルかつモダンなデザインが特徴。求人一覧・詳細ページ・投稿フォームなどが最適化されており、追加の設定なしでもすぐに使えます。
他にもAstraのような汎用テーマも対応可能ですが、まずは専用テーマで構築し、必要に応じて他テーマへ移行する形がスムーズです。
WP Job Managerのインストールと有効化
WordPress管理画面の「プラグイン > 新規追加」から「WP Job Manager」と検索し、インストールして有効化します。有効化すると、自動的に基本ページ(求人一覧、投稿フォーム、ダッシュボードなど)を作成するか確認されます。ここでは指示に従ってページを作成しておきましょう。
これで求人ポータルサイトのベース環境が整います。次のステップでは、実際にどのようなページが作られ、どうカスタマイズできるかを見ていきましょう。
基本的な設定とデザイン
WP Job Managerをインストールすると、初期設定として3つの主要なページが自動生成されます。これらのページはすべてショートコードで構成されており、内容や配置のカスタマイズが可能です。
ページの自動作成と内容
- [jobs](求人一覧ページ):公開されているすべての求人情報が一覧表示されるページです。フィルター検索機能も自動で表示されます。
- [submit_job](求人投稿ページ):企業や管理者が求人情報を投稿するためのフォームが表示されます。
- [job_dashboard](ダッシュボード):ログイン済みのユーザーが自分の投稿を確認・編集・削除できる管理ページです。
これらのショートコードは固定ページに埋め込まれているので、デザインテーマに合わせてレイアウトや文言を調整することもできます。
表示デザインの調整方法
求人情報のデザインはテーマに依存しますが、次のような手段で見た目を調整できます:
- CSSによる微調整:管理画面の「外観 > カスタマイズ > 追加CSS」から、求人情報の見出しやレイアウトを調整。
- テーマのテンプレート上書き:テーマディレクトリに
wp-job-manager
フォルダを作成し、必要なテンプレートファイルをコピー・編集することで、出力されるHTML構造を細かく変更可能。
これらの設定・カスタマイズを行うことで、自分だけの求人情報サイトとして差別化された見た目と操作性を実現できます。
アドオンを活用して機能拡張
求人情報ポータルサイトをさらに充実させるためには、目的に合わせたアドオンの活用が効果的です。ここでは、特にニーズの高い5つのアドオンを紹介します。
WP Job Manager – Field Editor
求人投稿フォームを直感的にカスタマイズできるアドオンです。ドラッグ&ドロップで入力フィールドの追加・削除・並び替えが可能。特定の業種に特化した入力項目を用意したい場合に便利です。
Applications
応募内容をWordPressの管理画面から確認・管理できるようになるアドオンです。応募者の名前、メールアドレス、カバーレターなどを一覧・個別に確認でき、スプレッドシートで管理する手間を省けます。
Resume Manager
求職者が自分の履歴書(プロフィール)を登録し、求人とマッチングできる機能を追加します。求職者が自らの経歴を公開し、企業側がそれを検索・閲覧するような双方向型の求人サイトを構築したい場合に最適です。
WooCommerce Paid Listings
求人情報の有料掲載を実現するアドオンです。WooCommerceと連携することで、求人投稿時に料金プランを設定したり、支払いと連動した掲載期間の管理が可能になります。求人情報サイトのマネタイズに最適です。
Job Alerts
求職者が希望する条件を保存し、その条件に合った新着求人を自動でメール通知する機能です。リピーターを獲得しやすくなり、サイトの利用頻度アップが期待できます。
これらのアドオンを活用すれば、求人サイトとしての完成度が格段に上がり、運営の効率化やマネタイズ戦略にもつながります。
セキュリティとスパム対策
求人情報サイトはユーザー登録やフォーム送信の機会が多いため、スパムや不正利用を防ぐための基本的なセキュリティ対策が重要です。ここでは特に効果的な2つの対策をご紹介します。
reCAPTCHAの導入方法
スパム投稿を防ぐためには、Googleの提供する「reCAPTCHA」の導入がおすすめです。WP Job Manager自体はreCAPTCHAに直接対応していませんが、以下の方法で統合可能です:
- WP Job Manager – reCAPTCHA アドオン(非公式):reCAPTCHA v2またはv3を投稿フォームに追加できます。
- フォーム全体をreCAPTCHA対応のフォームプラグインに置き換える:例えば「WPForms」などのフォームプラグインを使い、求人投稿の流れを再構築することも可能です。
reCAPTCHA v2(「私はロボットではありません」チェックボックス)か、v3(スコア方式)を使えば、ユーザー体験を損なわずにボット投稿を防止できます。
ユーザー認証と管理のベストプラクティス
ユーザー登録を有効にする場合、以下のような対策を講じておくと安心です:
- ユーザー登録制限:必要な権限以外を与えないよう、「ユーザーのデフォルト権限」を最小限(購読者など)に設定。
- メール確認の必須化:ユーザー登録後、メール認証を行わせることで成りすましを防ぎます。
- セキュリティプラグインの活用:WordfenceやAll In One WP Securityなどのプラグインでログイン制限・スパムブロック機能を強化。
- ログイン試行の制限:不正アクセス対策として、ログイン試行回数制限を設けましょう(Limit Login Attempts Reloadedなど)。
これらの対策を組み合わせることで、求人サイトとして安心・安全な運営基盤を築くことができます。
サイト公開と運用のポイント
求人サイトを公開したら、運営を継続していくための体制づくりも重要です。ここでは、サイトの公開と日常運用に関する基本的なポイントを紹介します。
ドメイン・サーバー選定の注意点
信頼性のあるサービスを選ぶことが大切です。以下のような基準で選定しましょう:
- SSL(https)対応:応募者の情報を扱うため、暗号化通信は必須。
- 安定した稼働率:サーバーダウンが応募機会の損失に直結するため、稼働率99%以上のサービスを選びましょう。
- バックアップ体制:自動バックアップ機能のあるサーバーを選ぶと安心です。
SEO対策と集客の基本
求人情報は「地域名+職種」などのキーワードで検索されることが多いため、基本的なSEO対策を施すことで集客効果が高まります。
- All in One SEO Pack や Rank Math などのSEOプラグインを活用
- 求人タイトルやディスクリプションに検索されやすいキーワードを含める
- カテゴリ・タグを活用し、情報を整理する
- SNSやGoogleビジネスプロフィールとの連携も有効です。
定期的なバックアップとアップデート管理
サイトの安全性と安定運用を保つには、定期的な保守作業が欠かせません。
- WordPress本体・テーマ・プラグインの更新は常に最新に保つ
- 定期バックアップ:プラグイン(UpdraftPlusなど)を使って自動バックアップを設定
- 更新前の動作確認:本番サイトに反映する前にステージング環境でテストするのが理想です
安定した運用と信頼性の高いサイト作りが、求人情報サイトとしての価値を高める鍵となります。
WP Job Manager 導入支援・構築代行
WP Job Managerは、無料で使えるとは思えないほど高機能な求人情報プラグインです。シンプルな構成ながらも拡張性が高く、初心者から中級者まで幅広く対応できるのが魅力です。
この記事を通じて、求人サイトを自分で構築する具体的なイメージを持っていただけたのではないでしょうか。求人情報サイトは構築後の運用も重要ですので、まずはシンプルに立ち上げ、必要に応じて機能拡張していく流れが理想的です。
なお、記事を読んで「自分で構築するのはやっぱり難しそう」「もっとプロに任せたい」と感じた方に向けて、当方ではWP Job Managerを使った求人サイトの構築代行を承っております。テーマ設定からカスタマイズ、アドオン導入までワンストップで対応可能です。お気軽にお問い合わせください。