Google広告はキーワードを軸に広告の表示先を選ぶことが多く、キーワード選定は運用を成功させる上で最も重要です。キーワードのリサーチから、ランディングページの調整やテキスト広告の作成を行い、入稿までの段取りに必要な考え方を紹介します。
キャンペーンごとのキーワード設定
Google広告の配信設定で一番よく使うキーワードによる入稿は、検索広告とディスプレイネットワークで少し仕組みが違います。
管理画面では同じようにキーワードを設定するので違いがわかりにくいかと思いますが、まずは設定の意味を把握しておく必要があります。
検索ネットワーク キャンペーン
検索広告ではユーザーが入力した「検索語句」と入稿キーワードが一致した場合に、広告が表示されます。
ユーザーが入力した語句に除外キーワードが含まれていたり、マッチタイプが合わない時は広告が表示されません。
クリックに繋がったキーワードは「検索語句」のレポートで確認することができるので、シンプルでわかりやすい仕組みです。
ディスプレイネットワーク キャンペーン
サイトにバナーを掲載する広告でのキーワード設定は、「オーディエンス ターゲティング」「コンテンツ ターゲティング」の2つの設定があり、検索広告とは少し違った解釈が必要です。
キーワードにマッチする人に表示させたい場合は「オーディエンス」、ページの内容にマッチさせたい場合は「コンテンツ」を選びます。
オーディエンスの設定を使うと幅広いユーザーに広告が表示され費用対効果が悪くなる傾向にあるので、認知を広げるPR目的か、広告からの流入を販売につなげる目的なのかで、うまく使い分ける必要があります。
オーディエンス ターゲティング
指定したキーワードに関心を持つ可能性が高いユーザーに対して、および指定したキーワードに関連するウェブページやアプリ、動画で広告を表示(推奨)
コンテンツ ターゲティングのみ
指定したキーワードに関連するウェブページやアプリ、動画でのみ広告を表示
キーワード入稿の仕組み
Google広告の入稿では、広告を掲載するキーワードと、除外するキーワードの2種類を設定することができます。
何も意識していないと「部分一致」だけを利用して入稿しているかと思います。「完全一致」や「フレーズ一致」を使いこなすと、より精度の高い配信設定を行うことができます。
特に除外キーワードは重要で、他のリスティング広告よりもGoogle広告が優れている点の一つとなります。ぜひ活用してみてください。
マッチタイプ
ユーザーが検索した語句と、どの程度一致した時に広告を表示するかを決めるのが「マッチタイプ」の仕組みとなります。
キーワードのマッチタイプには「部分一致」「フレーズ一致」「完全一致」の3種類があり、狙ったキーワードで広告を表示させるためにはうまく使い分けなければなりません。
一般的に最もよく使われるのは部分一致の設定で、複数のキーワードでの検索も含めて入稿したキーワードが含まれている場合に広告が表示されるので、幅広いユーザーにリーチすることができます。その反面として絞り込みの精度が低くなるので費用対効果が悪くなる可能性があります。
完全一致やフレーズ一致の絞り込みを活用することでコンバージョンに繋がる可能性が高いユーザーに絞って広告を見せることができるので、費用対効果を上げるにはマッチタイプの設定を理解しなければなりません。
除外キーワード
Google広告はキーワードで入稿する性質上、関連のないユーザーにも広告が表示される可能性があります。
Google広告の管理画面にあるキーワードのレポートから、どのようなキーワードで広告が表示されていてクリックに繋がったかを確認することができるので、明らかに関連していないキーワードでの表示がある場合は、キーワードの除外設定を行ったり入稿するキーワードの調整が必要となります。
入稿キーワードの選び方
まずランディングページ内の文章を見て、どういった「キーワードで検索してそのコンテンツに辿り着いて欲しいか」を想像してみてください。
そのキーワードがタイトルタグに含まれて入れば問題ありません。狙っているキーワードをもとにテキスト広告を練る工程に進みます。
もしパッとしたものが思いつかない場合は、そこで初めて「キーワードプランナー」を使ってみたり、サーチコンソールの検索語句のデータを参考にキーワードを選定します。
フレーズ一致でキーワードを絞り込む
費用対効果を最優先に考えるならば、「フレーズ一致」で入稿することをおすすめします。何も意識せずに入稿する「部分一致」の場合は類義語を拾ってしまうこともあり、広告配信の精度が下がることがあります。
広告原稿やランディングページに含まれるキーワードの中から絶対に外せないものを「フレーズ一致」で選ぶことで、確実にターゲットキーワードを含む複数のキーワードでの検索時に広告を表示させることができます。
例えば部分一致で「リスティング広告」のキーワードで入稿すると「広告運用とは」など、入稿したキーワードとはかけ離れた検索語句で広告が表示されることがあります。
「 “リスティング広告”」のようにフレーズ一致を利用して入稿することで「リスティング広告」を確実に含み、「リスティング広告 代行」「リスティング広告 費用」などの検索語句で広告を表示させることができます。
こうして実際にクリックに繋がったキーワードの効果を見て、完全一致で入稿を行うとコストを抑えた上で広告の効果を大幅に上げることができます。
1グループに追加するキーワード数は?
検索ボリュームが多いキーワードであれば1グループ1キーワードでもうまく運用することができます。
目安として、広告見出し1の15文字の中に含まれるるキーワードで、グループを構成すると3〜10キーワードくらいで収まるはずです。
1つのテキスト広告に対する表示回数を稼いだ方が、クリック率の信頼性が上がり品質スコアの向上に繋がるので、グルーピングは慎重に行うべきです。
最適化の通知には従うべきか?
Google広告を運用していると「〇〇個のキーワードを追加しましょう」という通知をよく見かけるかと思います。
結論から先に言うとこの通知は絶対に無視した方がいいです。
キーワードの選定はテキスト広告、ランディングページのタイトル、入稿キーワードを揃えなければパフォーマンスをあげることはできません。
なので、この通知に従って全てのキーワードを追加してしまうとグルーピングが台無しになります。推奨されるキーワードをもとに、どのグループに入れたらテキスト広告に含まれるキーワードとマッチさせられるかを考えながら追加を検討しましょう。