HubSpotを導入しても「コンタクトが増えるだけで、うまく活用できていない」という状態に陥るケースがあります。CRMとして機能させるには、最初のプロパティ設計と、コンタクトの分類ルールをきちんと決めることが重要です。

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HubSpot Starter 導入支援
スタートアップ企業(個人〜小規模チーム)向けにHubSpotの導入支援と運用サポートのコンサルティングを行っています。
HubSpot Starter のコンタクト管理の基本構造
HubSpotのコンタクト管理は、3つのオブジェクトを軸に構成されています。
| オブジェクト | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| コンタクト | 個人(担当者) | 田中 一郎(山田商事 購買部長) |
| カンパニー | 会社・組織 | 山田商事株式会社 |
| ディール | 案件・商談 | 山田商事 システム導入案件 |
この3つが相互に関連付けられることで、「この案件はどの会社のどの担当者と進めているか」「この会社には過去にどんな案件があったか」がひと目でわかる状態になります。
プロパティとは何か
HubSpotのプロパティとは、コンタクト・会社・ディールに付随する「データの項目」のことです。
コンタクトの標準プロパティ(HubSpotが最初から用意しているもの)の例:
- 名前(姓・名)
- メールアドレス
- 電話番号
- 会社名
- 役職
- 最初の流入元(Original Source)
- 最終活動日
Starterで追加できるカスタムプロパティ(最大1,000件)の例:
- 業種(製造業 / IT / 医療 など)
- 会社規模(1〜10名 / 11〜50名 など)
- 予算感(50万円未満 / 50〜200万円 など)
- 決裁者かどうか(はい / いいえ)
- 紹介元(誰から紹介されたか)
プロパティ設計の進め方
ステップ1:「何のためのCRMか」を明確にする
プロパティを作る前に、「このCRMで何を管理したいか」を言語化します。
典型的な目的例(スタートアップBtoB):
- どのチャネルからリードが来ているか把握する
- 商談の進捗を営業チームで共有する
- どの属性のコンタクトが成約しやすいかを分析する
- フォローアップが必要なコンタクトを漏らさない
この目的から逆算して、「分析に必要なデータ項目」を洗い出すのがプロパティ設計の出発点です。
ステップ2:必須プロパティと任意プロパティを分ける
すべてのプロパティに値を埋めようとすると、入力の手間が増えてCRMが使われなくなります。
設計のルール:
- 必須(コンタクト作成時に必ず入力):3〜5項目
- 任意(わかる範囲で入力):それ以外
必須プロパティに詰め込みすぎると、「めんどくさくてコンタクト作らない」という状態になります。シンプルに保つことが継続利用の鍵です。
ステップ3:フォームのフィールドとプロパティを対応させる
問い合わせフォームの入力項目と、HubSpotのコンタクトプロパティが正しく対応していないと、フォームから来たデータが適切に保存されません。
フォームを設計する際は、「このフィールドはHubSpotのどのプロパティに格納するか」を先に決めてからフォームを作るのが正しい順序です。
Original Source(最初の流入元)の理解と活用
HubSpotが自動で記録する「Original Source」は、コンタクトがはじめてサイトに来たときの流入元を記録するプロパティです。
| Organic Search | 検索エンジンからの自然流入 |
|---|---|
| Paid Search | 検索広告(Google広告等)からの流入 |
| Direct Traffic | 直接URL入力・ブックマークからの流入 |
| Social Media | SNSからの流入 |
| Referrals | 他サイトのリンクからの流入 |
| Email Marketing | メールのリンクからの流入 |
| Offline Sources | オフライン(展示会等) |
このデータを蓄積すると、「成約したコンタクトの最初の流入元はどこか」という分析ができます。「Google広告経由のコンタクトは成約率が高い」「SNS経由は問い合わせは多いが成約につながりにくい」という知見が得られれば、マーケティング投資の優先順位を決める根拠になります。
コンタクトの重複管理
HubSpotでは、同じメールアドレスのコンタクトは原則1件として管理されます。しかし、フォームの入力ミスや複数アカウントでの入力などにより、同一人物が複数コンタクトとして登録されるケースがあります。
重複管理のポイント:
- HubSpotの「コンタクト → 重複を管理」から重複候補を確認・マージできます
- 定期的(月1回程度)に確認することを習慣にしましょう
- フォームに入力されるメールアドレスの書き方を標準化することで重複を予防できます(大文字・小文字の統一など)
マーケティングコンタクトとは何か
Starter プランから登場する「マーケティングコンタクト」という概念は、料金と直結するため理解が必要です。
HubSpotでは、コンタクトを2種類に分けます。
| 種類 | 意味 |
|---|---|
| マーケティングコンタクト | メール配信・広告ターゲティングの対象となるコンタクト |
| 非マーケティングコンタクト | CRMとして管理するだけで、マーケティングには使わないコンタクト |
Starterの上限は1,000マーケティングコンタクトです。この上限を超えると追加費用が発生します。
設計のポイント:
- 「営業の既存顧客で、これ以上マーケティングメールを送らない」コンタクトは非マーケティングコンタクトに設定する
- フォームから新規流入したコンタクトは自動でマーケティングコンタクトになることが多い(設定による)
- 定期的にコンタクトリストを整理し、不要なマーケティングコンタクトを解除する
コンタクトリストの作成と活用
HubSpotのリストは「アクティブリスト」と「スタティックリスト」の2種類があります。
アクティブリスト:
条件を設定すると、条件を満たすコンタクトが自動で追加・除外されます。
例:「業種が製造業で、過去30日以内にサイトを訪問したコンタクト」
スタティックリスト:
手動で追加・削除するリスト。展示会で名刺交換した人など、特定のイベント時点のスナップショットに使います。
活用例:
- 「見積りを送ったが成約していない」リスト → フォローアップメールのターゲット
- 「特定のページを3回以上見た」リスト → 検討度が高い見込み顧客として営業に共有
- 「最終活動から90日以上経過」リスト → 再接触のタイミング管理
データの「育て方」
CRMのデータは、入れた瞬間から価値があるのではなく、蓄積とアップデートを続けることで価値が生まれます。
最初は「氏名・メールアドレス・流入元」だけでも十分です。商談が進む中で役職・予算感・課題が明確になってきたら、その都度プロパティに追加していく運用が現実的です。
「完璧なデータを最初から揃えよう」とすると入力の手間で挫折するので、最低限のデータから始めて、使いながら育てるというアプローチをおすすめしています。
HubSpot Starter 導入支援・運用サポート
HubSpot Starter のコンタクト管理を機能させるには、「何のためにCRMを使うか」という目的を明確にした上で、最小限のプロパティ設計から始めることが重要です。
プロパティ設計・フォームのマッピング・マーケティングコンタクトの整理は、最初に正しく設計しておくことで後の手戻りを減らせます。逆に、ここを曖昧にしたまま進めると「データが溜まったけど使い方がわからない」状態になりやすいです。
当社では、コンタクト管理のデータベース設計から初期設定まで、一緒に考えながらサポートしています。
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