Facebook広告は予算設定に合わせてきっちりと広告の表示が行われ、設定した通りの金額を消化する傾向があります。長期的に広告を安定して表示させるためには、予算や入札の仕組みへを理解する必要があります。
なんとなく予算を決めて、広告配信を設定を行えば、広告は表示されるので、あまり深く気にしていない方も多いかと思います。概要だけでも知ると取り組み方が変わってくるかと思うので、参考にしてみてください。
予算の仕組み
広告の配信ボリュームは、入札単価と関連度スコアが大きく影響しますが、自動入札を使うことが多いFacebook広告では、オーディエンスサイズに合わせた予算配分を行い、フリークエンシーを確認しながら予算調整を進めることで、安定した配信を行うことができます。
通算予算と1日の予算
広告を安定して配信するためには「予算と掲載期間」で決める予算配分の設定が重要になります。
設定する予算規模とオーディエンスサイズによっても変わってきますが、「通算予算」で設定していると、フリークエンシーが高くなってくると広告の配信ボリュームが下がり、予算を消化しきらない傾向があります。
長期的に安定して掲載を続けたい場合は、「1日の予算」をオーディエンスのサイズに合わせて設定するのが良いです。
フリークエンシー
1人の利用者に対する広告の表示回数を知るのには「フリークエンシー」という指標を確認します。
過去1週間に購入行動を起こしたユーザーでオーディエンスリストを作成するなど、ターゲットになるユーザーが常に入れ替わる状態ならば、低いフリークエンシーを維持することも可能ですが、基本的にはオーディエンスリストに含まれるユーザーはそれほど入れ替わらないので、フリークエンシーが2回を超えてくると、成果に繋がりにくいユーザーをしつこく追いかけている状態になります。
日々レポートを見て調整を行えるのであれば、フリークエンシーが低い広告セットに予算配分を傾けたり、新たなオーディエンス設定を追加して、違うユーザーにアプローチを広げるなど、戦略を練る必要があります。
広告配信の最適化
Facebook広告にはいくつかの入札方法がありますが、エンゲージメント単価やコンバージョン単価など、どのような入札方法でも、最終的にはインプレッションに対して費用がかかります。
キャンペーンを作成する際に「マーケティングの目的は?」という選択肢によって、選べる最適化の方法が変わってきます。
Facebookページを利用した告知や、Webサイトへの誘導を行う場合は、下記の3つの最適化方法を利用することが多くなります。
投稿のエンゲージメント
Facebookページの投稿を利用する場合や、投稿に関する反響を得たい場合は、こちらの設定を利用します。
1つの投稿を複数の広告セットで利用することで、いいね数を集約してたくさんに人に共感されているように見えたり、シェアされることにより二次的な拡散を狙うこともできます。
見た目の数字として広告の効果があるように見えるかもしれませんが、コンバージョンに繋がるアクションを起こしてもらうには、ランディングページを見てもらわないといけないので、多くのエンゲージメントを獲得したからと言って、必ずしも費用対効果が高いとは限りません。
ランディングページビュー
ユーザーにお問い合わせや購入など、行動を起こしてもらうには、Webサイトを見てもらわなければ、コンバージョンまでたどり着くことはありません。
ランディングページビューの最適化を利用すると、Webサイトに訪問しやすいユーザーに優先して広告が配信されるようになります。
エンゲージメントやリンクのクリックなどの指標だけを見ていると、実際にWebサイトを開いたかがわかりにくくなることもあるので、絶対にLPを見せなければならない状況ならば、この最適化方法を利用するべきです。
コンバージョン
安定してコンバージョン数が発生していて、1件あたりの獲得単価の目標が明確な場合は、コンバージョンの最適化を利用します。
1週間に50件程度のコンバージョンが発生していないと、この自動入札はうまく回らないので、ECサイトやアプリのインストールなどが目標で、予算規模が大きい場合でなければ利用する機会はありません。
キャンペーン構成
1つのキャンペーンには、複数の広告セットを収めることができ、それぞれにいくつかの広告を設定して、成果の高い広告を選別し、キャンペーンの予算配分を振り分けるような流れを組みます。整理整頓の仕方は人それぞれあるかと思いますが、キャンペーンと広告セットで予算を決められるので、目的に合わせて、どのようなキャンペーン構成が適切かを考えていかなければなりません。
キャンペーン
1つのキャンペーンには複数の広告セットを収めることがでできるので、ランディングページや目的に合わせて1つのキャンペーンを作成するのがおすすめです。
「キャンペーン予算の最適化」のチェックを入れると、広告セット全体で共通する予算を決めることができます。キャンペーンの目的を一度決めると、広告セットの最適化で選べる項目で選べなくなるものがあるので、注意が必要です。
各投稿にある「投稿を宣伝」のボタンを押して広告を作成すると、投稿ごとにキャンペーンが作られて、散らかってしまうので、投稿の広告用に「投稿のエンゲージメント」でキャンペーンを作成し、パソコンの管理画面から投稿の広告を作成すると綺麗に整理して予算管理を行いやすくなります。
広告セット
1つのオーディエンス設定に対して、1つの広告セットを作成するのが基本です。広告セットごとに予算を設定しておくと、成果の良いオーディエンスに予算を傾けるなど、日々の調整を行いやすくなります。
キャンペーンの共有予算を設定していると、予算が消化しにくい広告セットの予算が、ほかの広告セットに回るので、全体の予算消化ペースが安定します。
広告
広告は予算設定に直接関わることはありませんが、「関連度スコア」によって、インプレッション単価が変わってくるので、広告セットで設定したターゲットに合わせた訴求を作り、適切な最適化方法で実績を積まなければなりません。
リマーケティングの予算配分
再訪問を促すためには、一度ランディングページにアクセスしてもらわなければならないので、リマーケティングのキャンペーンに予算配分を強めたからと言って、広告の配信ボリュームが増える訳ではありません。
検索流入など広告以外からの訪問がない場合は、全体の広告費の1〜2割程度を目安にリマーケティングの予算に設定すると、うまく回ることが多いです。
1日の予算が2,000円ならば、100〜200円をリマーケティングのキャンペーンの予算に設定します。フリークエンシーやリストの増加ペースを見て、予算を調整していけば、安定して再訪問を促すことができます。