Google広告では審査プロセスの阻害や広告システムの悪用を防ぐために、「広告掲載システムの回避」のポリシーが定められています。このポリシーは重大かつ悪質とみなされ、アカウントが強制停止されてしまいます。
広告の審査が正常に行えない状態になるなど、ウェブサイト管理やサーバー環境の知識がないために、悪意がなくポリシー違反に該当する場合は、適切な処置を行うことで、強制停止を解除することができます。
しかし、ユーザーを騙すような危険な行為を行なっている場合は、広告を再開することはできません。
2023年7月に、このポリシーは更新され、複数アカウントを利用して違反を繰り返す行為を厳しく取り締まるアナウンスがありました。
広告掲載ができなくなったからといって、新しい広告アカウントを作成することは禁止されています。悪意がなくても複数アカウントにまたがる違反は、アカウントの復旧も難しくなります。「今後は Google での広告掲載が一切認められなくなります。」との記載もあるので、くれぐれもご注意ください。
参考:広告掲載システムの回避に関するポリシーの更新について(2023 年 7 月)
「広告掲載システムの回避」に関するポリシーは、「広告ネットワークの不正利用」のヘルプページに記載されています。
主題としては下記の理由が挙げられています。
Googleの広告掲載システムとプロセスを回避したり阻害したりする行為またはその試みへの関与。
主な原因としては下記のような事例があります。
- 審査クローラーがWebサイトにアクセスできない
- 複数のLPからポリシー違反に該当するLPへの導線がある
- 複数アカウントにまたがる違反を行なってる
ヘルプページで挙げられている事例については、わかりにくいところもあるので、ひとつひとつ紐解いていきましょう。
Google の審査システムの阻害を目的とする、もしくは結果として阻害する、または Google 広告ポリシーへの違反を隠す、もしくは隠そうとするクローキング行為
要約すると「クローラーがLPにアクセスできなくて審査が行えない」ということです。
robots.txtでクローラーのアクセスを拒否している。またはrobots.txtが設置されていない。海外からのアクセスを全面的に拒否している。など、自分ではウェブサイトを閲覧できる状態でも、意図せずに審査を阻害してしまってるケースがあります。
「クローキング」は聞きなれない言葉かもしれませんが、Googleの審査クローラーにユーザーと違うページを見せているという状態です。PCサイトとモバイルサイトを別のドメインで分けてたりすると、意図せずに違反に該当する可能性があります。
この場合、サーバーの設定変更等を変更して、ウェブサイトを修正することで、アカウントの停止は解消できます。
本ポリシーまたはその他の Google 広告ポリシーに違反している広告を複数のアカウントで配信する行為を含む、アカウントで繰り返しまたは同時にポリシーに違反する行為(例: 本ポリシーを含む Google 広告ポリシーに違反して不承認となった広告と同様の広告を掲載するために、新しいドメインやアカウントを作成する)。
すでに(このポリシーまたは他の Google 広告ポリシーに基づき)不承認となった広告、ドメイン、コンテンツのバリエーションを作成すること、またはテキスト、画像、動画を加工して露骨な性的描写を含むコンテンツを曖昧にすることにより、ポリシー施行ないし違反検知の仕組みを回避する行為
複数の広告アカウントで運用していたり、いくつかのLPを同時に広告運用している場合、1つの広告が不承認となった時に、それに紐づいて別のキャンペーンや広告アカウントに影響を与えてしまい、結果として広告アカウントが強制停止されるケースがあります。例えば、Aサイトが不承認になったときに、BサイトからAサイトへの導線があると、広告掲載が許可されてないAサイトに、審査を回避して誘導しようと捉えられます。
この場合、強制停止直前まで動いていたBサイトばかりに目がいって原因を探ろうとしてしまいますが、根本の原因となるAサイトの是正を行わなければなりません。よほど悪質な意図がなければ、異議申し立てによりアカウント停止を解消できる可能性はあります。
強制停止の判断が下された後に、新規アカウントの作成によって Google 広告のシステムを再度利用しようと試みること
「強制停止になったら新しい広告アカウントを作るな!」という簡単な話ですが、過去に作った広告アカウントの存在を忘れていたり、代理店が所有権を持っているアカウントが関係している可能性もあります。Google広告のキャンペーンは「一時停止」の状態でも審査が入ることがあります。何らかのタイミングで審査が入り、複数のアカウントが絡んでいて、後から作成した新しい広告アカウントが強制停止されている場合、根本の原因となる「最初のアカウント」の是正が必要になります。
管理画面上では「広告掲載システムの回避」と表示されていても、複数のポリシー違反に該当する場合は、根源となる理由が表示されないこともあります。もし悪意がなく意図せずにアカウントが停止された場合は、お気軽にご相談ください。アカウントの復旧後に運用代行も検討していただけるのであれば無料で対応いたします。