Google広告の入札単価の決め方

Google広告の広告費はオークションのような形式をとっているので、入札単価の設定が重要です。入稿したからといって必ず表示されるわけではなく、競合とのオークションに勝たなければ広告は表示されません。

ご自身の費用感で希望の入札単価に設定して、そこで終わってる人も多いかと思いますが、正しい知識を持って入札を行うと、トータルのコストを下げられることもあります。

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目次

入札単価とは

1クリックに支払っても良い最大の金額で、クリック単価による入札は、入札単価を上限として、競合よりも上回る金額がクリック単価として請求されます。ご自身で決めた入札単価が1クリックごとの料金になるのではありません。

よくある間違ったケースは、「1クリック50円以上支払いたくないから50円で入札する」というお話をよく聞きます。ディスプレイ広告の入札ではそういった方法でも良いのですが、検索広告でこの方法を行うと掲載の機会を失うことになります。

品質スコアと広告ランク

キーワードとテキスト広告、入稿したページに含まれるキーワードなどから「品質スコア」が算出され、入札単価と掛け合わせて「広告ランク」が付けられます。その広告スコアが同じキーワードで入稿している競合サイトより上位の場合に広告が表示されるような仕組みとなっています。

広告ランクが同じ場合に実際にかかる1クリックの費用は、入札単価で設定した料金がクリックごとに発生するのではなく、自社が50円で一番高く入札していて、その次の他社が10円で入札しているとすると、1クリックにかかる費用は他社を上回るのに必要な金額を足した11円になります。逆に他社が50円で入札しているキーワードに、それ以下の金額で入札しても、他社が一日の予算に達して入札が止まった時にしか、自社の広告が表示される機会が生まれません。

広告が表示されない原因

広告が表示されない原因は、キーワードの「ステータス」の部分に表示されるので、それに合わせて入札単価を上げたり、テキスト広告を追加してみたり、PDCAを回すような流れとなります。

表の上部にある「列」のボタンから「品質スコア」を表に追加して確認することができるので、推定入札単価が高すぎたり、広告の表示が少ないと感じる場合は、品質スコアを改善するために、テキスト広告の追加や変更を検討するのが良いかと思います。

入札単価の決め方

Google広告の管理画面で確認できる指標を元に入札すると掲載をスムーズに行うことができます。

自動入札機能を利用していると、キーワード毎に入札単価を決めることはできないので、キャンペーンの「設定」から、「入札単価」を選び、下部の「入札戦略の変更」のリンクをクリックして、「個別のクリック単価」に変更する必要があります。

キーワードごとに入札する場合の参考価格は、広告グループからキーワードのページを開いた状態で、表の上部にある「列」のボタンを押し、「属性」の中にある「推定入札単価(1ページ目)」「推定入札単価(ページ最上位)」「推定入札単価(ページ上部)」の3つを選択して「適用」します。(右側で並べ替えもできます。)

そうすると下の表に選択した項目が追加されます。

1ページ目〜ページ最上位の範囲内で入札しておくと、ほぼ間違いなく広告が表示されます。1ページ目以下の入札単価に設定すると、広告が表示される機会が極端に減ってしまいます。

初めて広告を入稿して掲載を始めたばかりだと、品質スコアが正しく算出されていないため、入札単価シミュレーションが使えなかったり、見積もりの金額が高くなることもあります。なので初めは小まめにログインして単価調整を行う必要があります。

推定入札単価(1ページ目)

以前は「First Page Bid の見積もり」と呼ばれていたものです。検索結果でクリックされるのは1ページ目に表示されたものがほとんどです。なので、1ページ目に広告を表示させるには、この金額で入札しなければなりません。

新しく作成した実績のないアカウントだと、品質スコアが低く、初めは高く感じるかもしれませんが、実績を重ねることで安くなることもあるので、初めは素直に従うのが良いです。

推定入札単価(ページ最上位)

1ページ目の中でもページの上部が最もクリック率が高く、下部になると上部の半分以下のクリック率になります。なので、上部に表示させたい場合は入札単価を引き上げなければなりません。

予備として「推定入札単価(ページ上部)」の金額も同時に確認しておくと、微調整の参考になります。

入札単価シミュレーション

毎日安定して表示が行われるキーワードでは、「入札単価シミュレーション」のツールで競合の入札単価と比較して「いくらで入札したらどれくらいの表示が増えるか?」の目安を知ることができます。

主要なキーワードはコンバージョン単価などと照らし合わせながら、入札単価の調整を毎日行います。

入札単価調整

検索ネットワークであればキーワード単位で入札しますが、入札単価調整を利用すれば様々な要素で一括して、割合(±%)により上限を引き上げたり、引き下げることができます。

「引き上げ」を利用すると、上限の入札単価がわかりにくくなるので、基本的には「引き下げ」のみを設定して全体を整えると運用しやすくなります。

地域、曜日と時間帯、ユーザー属性、デバイス、などの項目に分けて入札単価調整を行うことができ、複数の入札単価調整を同時に設定した場合は、すべての要素を掛け合わせたものが実際の入札単価となります。

一つ一つの入札単価がいくらなのかを計算しながら調整するのは大変なので、大まかな方向性として、広告表示を控えたいとことに「引き下げ」の値を設定していくのが良いです。

地域

商圏が絞られる店舗の集客において、所在する市内に絞って広告を配信するのは確実に押さえておきたいところですが、お隣の市や他府県にも集客を広げたい場合は、キャンペーンを切り分けるか、地域による入札単価調整を活用します。商圏から離れる地域では来店の見込みが低くなるので、「引き下げ」の設定を行うことでバランスを調整します。

曜日と時間帯

「広告のスケジュール」から時間帯の設定を行うと、1時間単位で入札単価を調整できる時間帯を設定することができます。

問い合わせの電話を直接受けられない時間や、定休日は広告の表示を控えるために「引き下げ」の設定を行ったり、ランチタイムの前だけ「引き上げ」て広告の表示機会を増やすなど、時間帯の戦略も重要です。

ユーザー属性

年齢や性別でターゲットが明確な商売であれば、ユーザー属性による絞り込みや入札単価調整が有効です。顧客属性のデータはGoogleアカウントの利用状況により判別されるので、非ログインユーザーの絞り込みはできません。

ターゲットが女性に絞られるサービスであれば、思い切って「女性のみ」に広告が表示されるように除外設定を行ったり、20代のお客様が少ないなど統計が取れている場合は年代による「引き下げ」設定を利用します。

デバイス

BtoCがメインであればスマホの入札単価を基準にしたいのでPCを「引き下げる」など、端末の利用シーンを考えながら入札単価を調整することも必要です。

パソコンとモバイルの両方をターゲットとしているのに、デバイスの入札単価調整を-100%にして、キャンペーンを分けるケースをよく見かけますが、レポートはデバイスで分けて見る方法もあるので、できれば1キャンペーンに統合して、1つの広告にインプレッションを傾けたほうが、品質スコアの採点が安定するメリットや、クリック率やコンバージョン率の把握がしやすくなることもあります。

上級者向けテクニック

基本となる広告ランクの仕組みや、推定入札単価と入札単価調整の方法を理解した上で、キーワードの選定を進めて、マッチタイプの絞り込みや除外キーワードの設定を行うと、推奨入札単価の最上位の金額で設定していても、イマイチ広告の表示回数やクリックが伸び悩むような事があります。そうした場合は一歩踏み込んだ入札のテクニックが必要となってきます。

現在の入札単価で広告の表示がちゃんと行われているかを確認するには、レポートに「平均検索順位」と「インプレッション シェア」を追加して、1日毎に実績を確認して、機会損失がないかを確認しながら、入札単価の上げ下げを行います。

入札単価の調整に使う指標
入札単価の調整に使う指標

入札単価の調整に使う指標を全てレポートに表示させた状態が上記の画像になります。(実際にはコンバージョン単価も見るのですが省いています。)

平均掲載順位

広告が何番目に表示されているかを確認する事ができます。1〜3位ならば検索結果の上部、6位以内ならば、検索結果の1ページ目に表示されていることになります。

検索上部に表示される広告の数は、スマホとPCの違いや、ユーザーが入力する検索語句によっても変わってくるので、一概にこの順位だけを見ていると、最上部のインプレッションを逃すこともあります。

最上部を逃すと、自然検索結果の後に広告が表示されることになるので、クリックされる可能性は大幅に低くなります。

インプレッション シェア

現在の入札単価で広告が表示されているかを大まかに知るには、「検索広告のインプレッションシェア」を確認します。

推定入札単価の1位の金額以上で入札していて、インプレッションシェアが100%ならば、入札単価を少し引き下げて行きます。上部の推定入札単価で入札していても、インプレッションシェアが低い場合は、入札単価を引き上げてバランスを調整して行きます。

最上部のインプレッション シェア

平均検索順位ではわからない、2〜3位の平均検索順位が、「最上部に表示されたのか?」を確認するための指標です。

「検索結果の1位に表示されてるから、とりあえずクリックする」というようなユーザーもいるので、インプレッションシェアを上げすぎない方が良い場合もあります。逆に1位を取らなければコンバージョンに繋がりにくい商材やキーワードもあるので、適切な判断は難しいところです。

また、絞り込み部分一致の入稿キーワードなどで、競合も少なく検索ボリュームの少ないキーワードを拾うと、最上部に表示される機会が増えるので、「最上部を狙うだけ」ではうまくいかないこともあります。

コンバージョン単価

最終的にはコンバージョン単価を見て入札単価を調整して行くことになります。コンバージョン単価が高く費用対効果が悪いからといって、入札単価を下げすぎると機会損失になるので、キーワードの絞り込みや除外設定を行い、検索順位やインプレッションシェアを見て調整を繰り返します。

1日の予算で数件のコンバージョンが安定して発生しているならば、自動入札に切り替えれば、こうした入札単価調整はいらなくなりますが、Googleが自動入札を推奨しているとはいえ、月に数件のコンバージョン数では、機械学習の元になるデータが不足していて、AIに頼るということは難しいのが現状です。

クリック単価の相場

紙媒体や他の広告と比べて、1クリックの単価が高いと感じる方もいらっしゃいますが、数クリックの平均クリック単価で、広告の価値を決めるのは良くありません。また、一概に「どのキーワードがいくら」といった考え方も少し違います。

クリックから成果が発生するまでをトラッキングできるのがGoogle広告の強みでもあるので、1件のコンバージョンにかけられる広告予算を決め、見合った成果が出るように費用を調整しなければなりません。

競合よりも販売に繋がりにくいサービスであったり、ランディングページの訴求が弱いなど、変動する要素も多く、他社と比較するのは簡単ではありません。

全体の傾向として、販売単価が高いものは利益も多いので入札単価が高くなります。1度の購入や来店からリピート率の高いものはも入札単価が高くなる傾向にあります。
同じキーワードを狙う競合が多ければ相場は上がっていき、利益が取れなくなる金額で落ち着くので、そこで相場が安定します。

ちょうど良い相場で費用対効果が見合うならば掲載を続ける価値が見出せているはずです。

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この記事を書いた人

石橋 敬太郎のアバター 石橋 敬太郎 AdRegion Inc. CEO

株式会社アドリージョン 代表取締役。私は「Web制作」「集客」「経営」の知識を、満遍なく持ったオールラウンダーです。デジタル・マーケティングの領域を中心に、スモールビジネスの宣伝に必要なすべてをワンストップでサポートするIT顧問サービスを提供しています。

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