社会的に意義のある公益的な活動を団体で継続的に行うには、適切な法人種別で会社を設立する必要があります。非営利団体向けの法人格はいくつかあり、法人を立ち上げるための条件もさまざまで、法人種別を選ぶところから悩むこともあるかと思います。
今回は非営利法人を立ち上げる前に考えておきたい法人種別について説明します。
非営利法人とは?
非営利団体に興味を持つとまず最初に「非営利ってなに?」といった疑問が浮かびます。多くの人は非営利と言われると「営利目的ではない=儲けたらいけない」イメージを持つかもしれませんが、そういうわけではありません。
公益的な活動であっても顧客から対価をいただいたり、従業員に給与を支払うこともできます。活動維持のために収益事業を行うことも可能です。
法人を立ち上げる際には「構成員への利益分配をしないこと」を定款(会社のルール)で定めていることが非営利法人の条件とされているようなところもあり、適切な法人種別を選択することで、対外的に非営利団体であることを認識してもらえるようになります。
法人種別の選び方
非営利法人と呼ばれるものにはいくつかの種類があります。NPO法人でも認定を受けることで「認定NPO法人」に進化したり、一般社団法人から公益化して「公益社団法人」になることで社会的に地位のある法人になることもでき、税制のメリットを受けられるなど、団体の活動を有利に進めることもできるようになります。
まずは簡単に、どの法人種別で創業するかの方向性を定めるのが第一歩になります。
NPO(特定非営利活動法人)
一般的に広く非営利法人として広く認知されてるのが「NPO法人」かと思います。立ち上げるには「20種類の分野に該当する活動 」を目的として、10人以上の構成員を集めることが最低条件となります。
「内閣府NPOホームページ」が一次情報の発信元です。
公益社団法人/公益財団法人
NPOで定められている20種類の分野に該当しない場合など、より柔軟に公益性の高い事業を行う場合は公益法人が選択肢になります。公益法人になるには一般社団法人または財団法人を立ち上げてから公益認定を受ける流れが必要です。
「公益法人information」が一次情報の発信元です。
一般社団法人/一般財団法人
人を集めて活動するのが社団、お金を集めて活動するのが財団、といった感じで、最低二人から立ち上げることができます。(財団の場合は300万円の財産が必要)
定款に「非営利が徹底された法人」と定めて登記することで、税制のメリットを受けたり、非営利団体向けの支援サービスを利用することができたりもします。
代表が株式会社を持っている場合は一人で立ち上げるスキームもありますが、公益認定受けるためには三人以上の構成員が必要になることに変わりありません。
一次情報がまとまっているサイトはありませんが、法務省の解説は参考になります。
株式会社で公益的な事業活動を行う
公益的な事業を株式会社で行うのもスタンダードな手法になります。社会的に大きなインパクトを与えるにはやはりお金は大事で、資金繰りの選択肢が多いことで活動の幅も広げられます。
しかし、営利企業として見られることは致し方なく、寄付を受けることができない(寄付する側の税制メリットがない)のは不利な部分です。
法人化するタイミング
税制のメリットを受けながら公益活動を行うための最終的なゴールは「認定NPO法人」か「公益法人」になります。法人を設立するタイミングでは、このどちらの法人種別が適切かを選択しなければなりません。
非営利法人は「一人では立ち上げられない」のが最初のハードルにもなるので、まずは人が集まって何か社会に役立つ活動をしたいと思い立つところが始まりになるかと思います。
人が集まりお金が動き出す時が法人化のベストなタイミングではあります。人とお金を動かす前提で先の見通しもなく法人を設立するケースもあるかと思いますが、できれば先の見通しを立ててから法人化したいものですね!
NPO設立支援について
弊社では非営利団体向けのIT導入支援や、デジタル・マーケティングの支援を行っています。士業団体と連携して法人の設立から、運営なども含めてワンストップですべてをサポートすることも可能です。
法人を設立する前からニーズの検証を行う手法もあったりするので、法人設立前でも迷うことがあれば、お気軽にご相談ください。
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