個人でお店を経営されている方はご自身でホームページを管理していることも多いかと思いますが、検索からの流入を増やしたいけど何からしたら良いかわかならいという人も多いかと思います。
SEOには自信があるという人でも、間違った情報を鵜呑みにしたまま、古いSEOの手法で流入は増えていないのに「行動した事」に満足している方もよく見かけます。サイトのパフォーマンスを最大限に引き上げる為に、一度SEOについて見直してみてはいかがでしょうか?
そもそもSEOとは?
検索で表示されるサイトをコントロールする仕組み(アルゴリズム)はGoogleが作っており、Yahoo!検索でも広告部分の除くと同じ結果が表示されます。
近年では、大幅にシェアを広げているiPhoneやAndroidのスマートフォンでも、ユーザーはグーグル検索に触れる機会が多くなっており、そのシェアを合わせると9割を超えています。
そのため、Googleの基準に沿ったサイト制作や運用を行うことで、ホームページに人を集めることができるようになります。
必要最低限のSEO
Googleの基準となるアルゴリズムは数百の要素からなる複雑な仕組みなので、何か一つ対策を行えば効果があるというものはありません。最低でも押さえておきたい基本は以下となります。
Googleマップに掲載する
実店舗のSEO対策ではGoogleビジネスプロフィールに登録してGoogleマップに掲載するのが最も効果的なSEO対策となります。Googleマップへの掲載は検索結果の表示にも利用されていて、店舗の住所を元にスマートフォンやIPアドレスの位置情報を利用して、近隣エリアにいる見込み顧客にアピールすることができます。
ディレクトリ構造を整理する
親・子・孫と分けるならば、親が大分類で、孫が具体的な内容となるようにページをカテゴリごとにフォルダ分けしなければなりません。利用しているシステムによっては難しい対応になります。
ページタイトルを設定する
各ページのタイトルタグは、すべて違うものをページの内容に合わせて設定しなければなりません。流入のきっかけとなる文言にもなるので、重要な要素となります。
スマートフォンに対応する
多くのお客様はスマートフォンでサイトを見ていて、その割合は5割から8割を超えています。今後は、それに合わせてGoogleのアルゴリズムもスマホで見たときのサイトを基準となるようになるので絶対に対応が必要となります。
Googleにインデックス登録する
せっかくサイトを作ってもどこからもリンクされておらず、Googleに登録していなければ、いつまで待っても検索に表示されません。
外部からのリンクを集める
検索順位を決める要素として被リンクは重要な役割を持ちます。
開店当初などであれば求人サイトからのリンクなども獲得しやすいかと思います。友人のブログなどでもいいので数本のリンクは自作自演でも行うべきです。
あまり関連性のないページからの大量のリンクは逆効果になるのでダメです。
常時SSL化(https化)
SEOの中ではそれほど重要ではありませんが、近年ではSSL化が進み、必須とも言える状況です。これから新しくサイトを立ち上げる場合は必ず対応しておいた方がいいです。
キーワードの選び方
お店のホームページは業態に関するキーワードで上位を目指すのは難しいものです。まずは屋号での検索上位を目指し、屋号を含むキーワードで取りこぼしなくユーザーがアクセスできるように意識し、検索からすぐにユーザーが求めている情報にたどり着くようにしておく必要があります。そうすることで、サイト全体の評価が上がり、様々なキーワードで上位を目指しやすくなります。
基本的にはサイト名に屋号が含まれているので、各ページにキーワードを入れて、「屋号 キーワード」の検索で上位に表示されるように、タイトルタグを設定して、コンテンツを作っていきます。
サービスに関わる部分ならば、「料金」「メニュー」などのページを作り、すぐに来店したい人に向けて「予約」「お問い合わせ」などのページに誘導できるようにしておきます。
初めて来店する方には「会社概要」「アクセス」「駐車場」などの情報にアクセスしやすくしておく必要があります。複数の店舗があるならば、「店舗」「地名」などのキーワードでお近くのお店を探しやすくしておくことも大事です。
余裕があれば「口コミ」「評判」などのキーワードも検索されることが多いので、お客様の声のようなページを作ってみても良いかと思います。
これらのキーワードを押さえた上で、お店の特色に合わせたキーワードを狙っていくのがおすすめです。
間違いがちなSEO対策
ご相談を受けた時点で、「SEOしているつもり」のありがちな事例をいくつか紹介します。
キーワードを詰め込みすぎ
たくさんのアクセスが欲しいからといって1ページにキーワードを詰め込んでも、現在のアルゴリズムでは通用しません。
Googleのアルゴリズムは、検索キーワードとページ内のキーワードが一致をしているのではなく、検索キーワードの意図から、ページ内に関連する内容が書かれているか、文章の塊から判別して評価しています。
1つのページにテーマを設け、関連する段落を作り、人の目で見ても理解できる「正しい文章」を心がけると良いです。
地域名を網羅している
ヘッダーやフッターにターゲットのキーワードを網羅しているケースをよく見かけます。タイトルやページ内に記載するのは、基本的には所在地の都道府県と市町村くらいで大丈夫です。
極端な話、北海道のお店なのにページタイトルに「沖縄」を含めても意味がありません。病院であればカルテや、飲食店ならばアンケートなどで顧客情報を掴み、商圏となるエリアを絞り込んだ対策が必要になります。
最近ではスマートフォンが普及してGPSやIPアドレスでユーザーの検索している地域が判別できるので、地域名を含むキーワードを狙うよりもGoogleビジネスプロフィールに登録する方が圧倒的に効果があります。
ページタイトルを設定していない
ページタイトルは「流入のきっかけとなる一言」のようなものなので、SEOの中でも最も重要な鍵を握ります。一球入魂できちんと狙いを定めて設定するのをオススメします。
めんどくさいからといって、全てのページを同じタイトルにしたり、「〇〇について その1」「〇〇について その2」…といったように連番でコンテンツを量産するのはだめです。
誰も検索していないキーワードを狙う
「このキーワードで検索したら出てきます!」と言われても、他の人が誰も検索していないということもよくあります。「地名+サービス」など需要はあると思ったキーワードでも、意外と検索されていないこともあるのでリサーチは重要です。
ドメインのwwwの有無を設定していない
ホームページのURLがwww有りでも無しでもアクセスでき、どちらかに転送して統一されていない場合は注意が必要です。別のサイトとして同じサイトが2つある状態なので、どちらかに統一するための設定が必要です。
外部リンクやコンテンツが不足している
そもそもSEOは、ある程度の被リンクが構築された状態でドメインパワー(サイトの信頼性)がなければ効果を発揮しません。
取り扱うサービスや製品に関するページや、ブログ記事などが100ページ程度ある状態でなければ、サイトの持つポテンシャルを最大限に引き出すことはできません。
何もない状態からSEOを考慮された状態でサイトの完成系を見据えて作り込みを行うならば、公開当初からSEOを行う価値はあります。
しかし、多くの方は「アクセスがないのはSEOができていないからだ」と思い、「SEOを行えば(今のページ内容のままで)アクセスが増える」と思い込んでいるケースがよく見られます。
業種別のSEO対策
サイトの構造を作り込む内部施策は、どの業種にも当てはまることですが、「屋号」での検索1位は当たり前に取れているとして、「地域+業態」での検索はGoogleマップに掲載することでカバーすることができます。
そのほかのキーワードで検索流入を狙うためには、業種によってどのようなコンテンツを作るかを考えなければなりません。それぞれの職業に就いていなければわからない専門的な知識は、アフィリエイターなどネットだけで情報取集している人に発信できません。
そうした情報は読み手にも役に立つし、SNSでの拡散や被リンクの獲得に繋がる強い力となります。
飲食店
「ランチ+地域」「ディナー+地域」などすぐに思いつくキーワードは、ぐるなびや食べログなどの大手サイトや、様々な店舗を紹介しているキュレーションサイトが上位を取りやすく、店舗のサイトで上位を目指すよりも、そこに掲載する方が手取り場合ことが多いです。もしSEOに取り組むならば「来店のフックとなる独自のメニュー」など特色のある部分にスポットを当てて、どういうキーワードで検索流入を狙えるかを考えるのが良いです。
学習塾や学校
実績がものを言う学業は、集客よりも魅力をどう伝えるかが重要となります。先生という立場から情報発信もしやすく、コンテンツマーケティングを検討しやすいので、サイトの構造をちゃんと作れば集客面では苦労が少ないかと思います。講習と文章では伝え方が変わってきますが、伝わりやすい文章を書ける人は信頼性を得やすいので、本業での経験をそのままWeb上に活かすことができます。
美容室
文章を読ませるよりも写真を見せた方が説得力があるので、どちらかというとSEOよりもSNSを活用する方が集客に繋げやすいです。もしテキストを中心に検索流入を狙うならばカット、パーマ、カラーなどのメニューごとにディレクトリを作り、技術的な話をその配下に作るような構造が必要です。記事の中にカットモデルの写真を掲載しSNSでシェアされた時に、その写真が表示されるように設定するなど、工夫することで写真を見せることができます。
病院
発信する側としては「病名+地域」などのキーワードを想定しがちですが、患者さん側からすると病名がわからないので食い違いが出てきます。「体が痛い」など病名を知る症状のステップを狙う必要がありますが、医療法の兼ね合いで病院として情報を発信する場合は注意が必要です。個人としてブログで情報を発信して自分を知ってもらうアプローチや、オフラインでの口コミに頼る方が集客に繋げやすいかと思います。
歯医者
コンビニよりも多い歯医者は検索で上位を取るだけでなく、近隣エリア以外から来院してもらうためにはたくさんの競合よりも優れた点がなければなりません。とはいえ歯の治療は特色が強いわけではなく、来院のきっかけを作るには、コンテンツ作りに相当な作業ボリュームも必要になります。
整体院
開業に資格が必要ない整体院は競合も多く、集客に繋げるには独自のメソッドや特色が必要になります。狙うべきキーワードはたくさんあり、病院とは違い少し柔軟に情報発信はできますが、あはき法や医師法、薬事法などに関わる表現には注意しなければなりません。施述内容によってどの方に触れるのかボーダーが難しいところもあり、コンテンツ展開を考える上では複雑な面もあります。
ホテルや旅館
飲食業と似た部分もあり、じゃらんなどホテル検索サイトに登録することで主要なキーワードからの間接的な集客を行えます。自店の情報発信だけでなく、観光も含め地域情報のコンテンツを作り込むことで、地域のキーワードで上位を狙いやすくなります。繁忙期と閑散期がはっきりしている場合は、集客に取り組む時間が多く取れる時にコンテンツを貯めることで大きな力になります。
不動産業
物件の情報だけでもコンテンツ量が多いため、根本的なサイト構造がSEOで成功する鍵を握ります。観光業と同様に地域情報を扱うコンテンツを作ることで、集客の幅を広げることができます。地域に密着しているから知ることのできる情報も多く、そうした情報から被リンクを獲得するなど、一般的なSEO戦術が通用するので非常に取り組みやすいです。
専門のSEO業者に頼む必要はある?
ホームページを公開していると、「もっとアクセスが増やせるのでSEO対策しませんか?」という営業電話を受けることもあるかと思います。
サイトのページ数を基準にするならば、お知らせ等のブログ記事を除いた、店舗の案内に関する固定ページが数ページ程度の場合は必要ありません。
お店のある市町村以外にも県外からの集客を狙う場合や、同じ地域に競合店が多い場合は検討の余地があります。