Google広告の入札戦略 自動入札との上手な付き合い方

かつてリスティング広告と言えば、キーワード毎に支払っても良いクリック単価の上限を決めて入札するものでしたが、いわゆるAIと呼ばれる機械学習の仕組みが成長する昨今では、掲載順位を争うよりもオーディエンスの属性に合わせて広告を見せる「自動入札機能」を利用することが推奨されるようになってきました。

自動入札を使うと、相場を見誤って低すぎる入札単価で広告表示が行われないという事は減りますが、予期せぬ高いクリック単価で1日の予算の大半を消化して驚くこともよくあります。

また、手間もかからず簡単に入稿できるようになったように見えますが、逆にキャンペーンの組み立て方が難しくなっているのが事実です。

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目次

自動入札が成功する事例

機械学習が優秀になり、少ないコンバージョン数(仮にゼロの状態)でもコンバージョンの最適化を利用する事ができるので、Google側としては「コンバージョンの最大化」または「目標コンバージョン単価」を設定することが推奨されています。最適化タブや通知のお知らせでも切り替えを推奨され、Googleの電話サポートでもしつこく案内された経験をお持ちの方も多いかと思います。

機械学習が優秀になったとは言え、毎日コンスタントにコンバージョンが発生しない場合や、検討期間が長く広告からの初回クリックですぐにコンバージョンに繋がらない場合などは、自動入札が不利になることがあります。

コンバージョン単価が安い市場や、人を選ばずウェブサイトを見れば何かしらアクションを起こしやすい場合は、自動入札でも成功しやすくなります。

また、スマートゴールやお問い合わせフォームのページ閲覧などの中間地点でコンバージョンを設定して、アクセスの質を測れる場合にも、自動入札が有効活用できるケースもあります。

Googleの指示には従うべき?

Googleからの電話サポートを受けると、間違いなく「自動入札に切り替えろ」と案内されます。先に述べた成功しやすいパターンの商材ならば、素直に従っても良いのですが、ニッチな商材や競合が多い市場では、単純にクリックを獲得するだけではコンバージョンに繋がりにくいこともあるので、手動入札を利用した方が良いこともあります。

テストキャンペーンを利用すると、同一のキャンペーン設定で予算を50%ずつに分配するなどして、手動入札と自動入札の2つのキャンペーンを走らせることもできるので、まずはそうした手法で試してみるのも良いかと思います。(いくつかのアカウントでGoogleのサポートを受けていますが、こうした案内をしてくれる人は少ないです。)

よく使う入札戦略

基本的にはコンバージョンによる最適化が推奨されていますが、場合によってはクリック数の最大化を利用したり、手動入札で様子をみることもあります。

いずれ手動入札がなくなるかもしれませんが、まだ利用できる間は、最初のうちは手動入札で実績を把握し、ある程度の費用感が掴めてから自動入札に切り替える流れが良いです。

結果として、競合が多いジャンルでは常に「上位に表示されてたから」という理由でお問い合わせをしてくる人もいるので最上位を狙った方が良かったり、競合よりも有意なビジネスモデルであれば、2番手狙いで入札単価を抑えた方が、コンバージョン単価が安くなることもあります。

クリック数の最大化

ディスプレイ広告で多くの人にランディングページを見せたい場合や、検索広告で部分一致のキーワードを利用して広く認知を広げたい場合などは、クリック単価の最大化を利用するのが良いです。

最初の数日はクリック単価がびっくりするくらい高くなりますが、1週間ほどで落ち着き、長期的に運用しているとクリック単価は安くなる傾向があります。クリック単価の上限を設定することもできますが、低く設定してしまうと、表示回数に制限がかかり、一向にクリックを獲得できなくなることもあるので注意が必要です。

この入札戦略の特性は「予算内で多くのクリックを獲得する」のを目的としているので、アクセスの質は低くなるかもしれません。(それでもクリックを獲得すればコンバージョンに繋がる市場もあるので、ケースバイケースとしか言いようがありません。)

コンバージョン数の最大化

おそらく初動はクリック数の最大化に近い挙動で、コンバージョンのデータが溜まると徐々にオーディエンスの特性に合わせて最適化されるような流れなので、コンバージョン数の計測が正しく動いているならば、最初からコンバージョンの最大化を利用するのをおすすめします。予算に対する見込みのコンバージョン数が少なかったり、キーワードの精査が済んでいない場合は、手動入札で相場を探る方が良いです。

コンバージョンの最適化を利用している時のGoogle広告は予算管理が下手くそなので、1日目に予算の倍を消化すると2日目に広告の掲載が行われなかったり(それが数日繰り返されたり)週末などに入札単価を引き下げていると月曜日に超過ペースになるなど、不安定になることが多いです。

目標コンバージョン単価

キーワードの選定や除外設定、オーディエンスの作り込みを行い、コンバージョン単価が安定している場合は、目標コンバージョン単価を利用します。例えば4,000円でコンバージョン単価が安定している時に「3,000円で取ってこい」と言った使い方はできないので、コンバージョン数の最大化よりも目安となる金額が決まっている時に使うような感じです。推奨される金額は少し高めになることが多く、目標コンバージョン単価を利用したからと言って劇的にコンバージョン単価が下がるケースは少ないです。

ポートフォリオ入札戦略

もう一歩踏み込んだ自動入札の設定を行うと、クリック単価の上限を設定して、目標のコンバージョン単価に合わせていくこともできます。

キャンペーンの設定から「重視している要素」の「コンバージョン」を選ぶと、目標コンバージョン単価しか設定する事はできませんが、「ツールと設定」のメニュー内にある「入札戦略」から目標コンバージョン単価のポートフォリオ戦略を組むと、「詳細設定」でクリック単価の上限を設定することができます。

コンバージョンに合わせた最適化はクリック単価がとんでもな金額になり、1日の予算の2倍まで予算を消化することもあるので、ポートフォリオ入札戦略を利用すると少し安心です。(それでも最初のうちは高額なクリックが発生することもありますが…)

広告グループの組み立て方

自動入札はキャンペーン単位で有効になるので、自動入札を見据えた広告グループの組み立て方が重要になってきます。

極端な例にはなりますが、平均クリック単価が100円の広告グループと2000円の広告グループを1つのキャンペーンに収めている場合、「クリック数の最大化」を利用すると、100円の広告グループに予算配分が傾いたり、100円のグループでも2000円の単価でクリックを拾ってくるようなことがあります。クリック単価を同一価格帯のキーワードで広告グループをまとめて、1つのキャンペーンに整理すると、取り回しのきく運用がしやすくなります。

基本的には集客の目的毎にキャンペーンを分けるので、レアなケースかもしれませんが、1つのキャンペーンでコンバージョン単価の違う商品を扱う場合(低単価のエントリーモデルとハイエンド商品、松竹梅のコースなど、販売単価の幅があるもの)は、コンバージョン単価でも同じような感じになるので、「同一価格帯に合わせて広告グループを整理する」というのは、自動入札に切り替える前から心がけておいた方が良いです。

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この記事を書いた人

石橋 敬太郎のアバター 石橋 敬太郎 AdRegion Inc. CEO

株式会社アドリージョン 代表取締役。私は「Web制作」「集客」「経営」の知識を、満遍なく持ったオールラウンダーです。デジタル・マーケティングの領域を中心に、スモールビジネスの宣伝に必要なすべてをワンストップでサポートするIT顧問サービスを提供しています。

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