SEOを始めるに当たってサイトの構造を考えておくことは重要です。どのようなキーワードで検索流入を狙うかを定めてディレクトリを整理する事により、必要なコンテンツが明確になり、検索エンジンにもユーザーにも親切な構造を作ることもできます。
理想的なツリー構造
3階層の構造を作ることで情報を整理しやすくなります。ツリー構造と言われてイメージしにくい場合は「家」「棚」「引き出し」を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。
- 家 – ドメイン
- 棚 – ディレクトリ
- 引き出し – ページ
家(ドメイン)の中に棚(ディレクトリ)は何個でも置くことができます、棚の中の引き出し(ページ)も何個でも作ることができます。しかし、家(ドメイン)に決められたテーマは守らなければなりません。
棚の数が少なく、情報が整理整頓できないとダメですし、棚があっても引き出しが足りないと情報がスカスカなサイトに仕上がってしまいます。
ドメイン、ディレクトリ、ページには「親・子・孫」の関係を持たせ、次のような狙いでキーワードを選定することで、ユーザーにもわかりやすいツリー構造になるはずです。
WordPressの設定方法
下記の記事でWordPressの設定方法や、事例を紹介しています。より具体的に知りたい方は参考にしてみてください。
階層によるターゲットの違い
基本的に一つのページで狙えるキーワードは数が少ないので、サイト内の全てのページそれぞれに役割を持たせて狙いを定めなければなりません。サイトマップをエクセルで作成するなどし、必要なページを整理してからコンテンツを作り込むと方向性を練りやすいです。
親 – ビッグキーワード
サイトのトップページや、最上位のディレクトリが「親」に該当します。サイトで扱う大きなテーマや、扱う商材のジャンルが狙うキーワードとして挙げられます。
お店のホームページの場合は、「所在地」「業態」「屋号」を元に、文字数に余裕があれば「特色」を表すキーワードを含めることで、トップページの方針は固められます。
トップページだけでは検索ボリュームの多いキーワードが狙いきれない場合は、直下のディレクトリを「親」として、下層のディレクトリやページを組み立てていきます。
子 – 2語の複合ワード
ビッグキーワードに対してもう一歩踏み込んだ複合ワードや、関連するジャンルなどで下層にディレクトリを作る事でコンテンツに厚みを持たせます。ブログのカテゴリーや、ECサイトなら商品ジャンルごとにわけた商品一覧ページなどがこれに該当します。
ディレクトリ単位のSEOでは重要なポジションでもあり、CMSによっては自動で吐き出されるページになることもあるので、工夫が必要です。
孫 – ロングテールキーワード
「子」のページで絞られたテーマに対してさらに踏み込んだ検索ボリュームの少ないキーワードを狙います。ブログ記事や商品ページなどがこれに該当します。また、構造を無視してページ単位でロングテールキーワードだけを狙ってみるのも場合によっては有効かと思います。ツリー構造の裾野から作る事で土台になるケースもあります。
小規模サイトの構造
お店のホームページでは、それほど多くのページがなく、3階層のツリー構造を作ろうと思うと難しいことも多いかと思います。
そういった場合は、トップページに全力を注ぎ、それを支えるためのページを下層に用意していく流れにすると、狙いを定めやすくなります。
初めから見通しがなくても、ページが増えてきてから、ディレクトリ構造を考える流れでもSEOを行うことはできます。
パンダアップデートには注意
こういったディレクトリ構造を作り込んでいくと、結果として内容の薄いページをたくさん作ってしまっている場合があります。「今後コンテンツを作りたいからとりあえず初期テンプレートでページだけ用意しておこう!」というような「あとでやる」という意思は検索エンジンには見えません。
ディレクトリの下層に「実質中身の無いページ」や「機械的に作られるページ」を大量に作成してしまうとコンテンツファームとして見られ、パンダアップデートのアルゴリズムにひっかかり、ペナルティを食らう場合があります。
思う様に順位が上がらないディレクトリがあれば、不要なページを作りすぎていないか確認し、本当にユーザーにとって必要なページを残したり、テキストを追加してコンテンツを充実させる必要があります。
構造を理解してどこに施策を打つか
ほとんどの方は新規でサイトを作るよりも、既存のサイトをどうにかしなければならない場合の方が多いかと思います。大幅なシステム改修を行ってリニューアルできれば綺麗なディレクトリ構造を1から作る事もできますが、莫大な費用と現在のPVを失うかもしれないリスクも伴います。
システムが改修できないレンタルブログで、記事同士が同じ階層にあり、ディレクトリ配下に記事をまとめることができない場合でも、「ぱんくず」を使いユーザーに分かりやすく階層を作るなど、できる範囲での有効なSEOの手段もあります。
正解は一つではありません。大事なのは現状を把握して「どこに施策を打てるのか?」を考え、正解を導き出すことです。