SEOは2010年代の初め頃からコンテンツが評価基準のウェイトを占めるようになり、2021年の現時点でも、コンテンツ重視の傾向は変わっていません。
弊社がご相談を受ける中で、知識が10年以上アップデートされていない、正しい情報を掴めていない、間違った情報に振り回されてる、といった状況に出くわすこともよくあり、基礎的な知識を共有するためにブログで公開します。
SEOは医療のようなもので、適切な処置はサイトの状態や運用体制を確認しなければ判断できない側面もあるため、表面的な解説になる部分もありますが、ご参考にしていただけますと幸いです。
SEOとは
言葉の意味は巷に溢れているので割愛して、思想的な話になりますが、SEOは「価値のある情報を提供すること、それを見つけやすくすること」であり、検索エンジンに向けた最適化というより、「検索するユーザーに寄り添うこと」が結果としてアクセスにつながるようになっているのが近年の傾向です。
SEOの基礎
日本での検索エンジンシェアはGoogleが独占状態で、Yahoo!もGoogleの検索エンジンを採用している(検索結果の内容はGoogleとYahoo!は基本的には同じ)ため、Googleの傾向を把握して対策を行えば9割のシェアを押さえる事が出来ます。
残り1割の大半を占めるのはBingで、シェアが少ないからといっておろそかにしてはいけませんが、Google向けの対策をしていればBingの検索順位も自然についてくるので、よほどの理由がない限りは意識して対策する必要はありません。
検索でユーザーに見つけてもらいやすくするための最適化には、「内部施策」と「外部施策」の二つの考え方があります。
検索エンジンの根本的な仕組みとして、「クローラー(Googlebot)がページを巡回して評価する」というのは昔からずっと変わらず、「コンテンツとリンクと関連性」が評価基準の重要なシグナルとなるため、それらをサイト内外で綺麗に作り込むことで検索上位を狙うことができます。
検索流入は「自然検索」と呼ばれるように、「費用のかからない集客方法」と思われているかもしれませんが、検索からのアクセスを得られるようになるまでは時間も労力もかかり、コンテンツ制作を外注するなら費用もかかるものです。
また、検索上位を維持するには、常に情報を更新し続ける必要もあるため、全く費用も手間もかけずに集客できると考えていると辛い道のりになります。
SEOは必要か?
ホワイトハットとブラックハットと言う考え方もあり、ポジショントークで「私はホワイトハット派です」と名乗りを挙げたところで言うのもなんですが、検索順位を上げるための小手先の手法もあります。
基礎的な事を全く理解していないと何をやっても検索流入を得ることはできないので、まずはSEOを知って最低限の土台を作る必要はありますが、数ページのコーポレートサイトであれば、いわゆる「検索順位を上げるためのSEO」は必要ありません。サイトの規模が小さいと内部施策の施しようもなく、外部リンクを得ても力を発揮できません。
ゼロから検索上位を狙うために計画的にコンテンツを作り込むか、闇雲に作ったコンテンツを整理して検索流入を得られるようにできるか、このあたりがSEOが必要になるかを判断する基準になります。
モバイルファーストインデックス
Googleによるサイトの評価はモバイル版のサイトが基準になっています。
PCからの閲覧が多いコーポレートサイトにとって不利な条件と感じるかもしれませんが、会社について調べるのはオフィスでパソコンを開いている時だけとは限らず、移動中や社外にいる時にスマートフォンで閲覧される事も十分に考えられます。
SEOに取り組む前提としてモバイル対応していることは必須になります。
やってはいけないこと
検索に引っかかるようにすることや、検索順位を上げることを意識しすぎると、やった方が良い事よりもやってはいけない事にハマることが多いです。
ひとつのページにキーワードを網羅するような古い手法はもってのほかです。
検索流入を得るためにコンテンツを量産すること、外部リンクを増やすために意図的に自演リンクを貼ること、など、検索順位を上げるための施策と思って取り組むと失敗することが多いです。
逆に全くSEOを意識せずに、URLを分散してしまったり、検索流入のあるページを潰してしまうなど、失敗していることに気がついていないケースもあります。
Webサイトの環境構築
SEOを考慮したコーポレートサイトを作るには、制作前の段階から設計を考える必要があります。
「集客に強い制作会社」「最新のSEOに対応」と謳っていても、コンテンツの監修やサイト公開後のアクセスアップまでは面倒を見てくれない場合もあります。
また、コンテンツが全くない状態ではサイト構造の「最適化」はできません。
ドメインの一本化
一昔前は検索語句とドメインが一致していると良いという話もあり、日本語ドメインが流行ったりもしましたが、ドメイン名による優劣はなく、COMやJPなどの違いも評価基準には含まれていません。
しかし、近年のGoogleは情報発信者のE-A-T(専門性・権威性・信頼性)を評価基準として重要視している傾向もあるため、法人のコーポレートサイトならはCOJPドメイン、国内向けサービスのブランドサイトを作るならJPドメインを利用している方が安全かもしれません。
複数のドメインを利用していると被リンクやコンテンツが分散したり、別ドメインでの相互リンクは自演リンクに見られるリスクもあったりするので、サブドメインでの運用も候補に入れて、ドメインの一本化を心がけると良いです。
常時SSL化
2014年からHTTPSシグナルが検索順位の評価基準に含まれるようになりました。ほとんどのレンタルサーバー で無料のSSL証明書が提供されているので、常時SSL化は必須項目です。
検索順位は相対評価なのでSSL化が当たり前になった今では順位を上げる要因にはなりませんが、まだ対応していない場合は順位が下がっている原因の可能性はあります。
http〜とhttps〜のURLは別サイトとして扱われるため、両方のURLでそれぞれのサイトにアクセスできる場合はhttpからhttpsに転送する処理が必要です。
URLの統一
wwwの有無も別サイトとして扱われるので、どちらかに統一しておく必要があります。
wwwありでサイトを運用していて、wwwなしでアクセスできないケースは本当に多く見かけます。SEOには直接関係ありませんが、ブラウザにドメイン名を直接入力してもアクセスできないと、ユーザビリティが悪くなります。
サイトのリニューアル時に意図せずにwwwの有無が変わっていて、その後どちらかでアクセスできなくなっていると、それまでの被リンク効果を失うことにもなります。
また、ディレクトリのURL末尾に付くスラッシュの有無も統一しておいた方が、分析やリダイレクト処理の管理が楽になります。
HTMLの書き方
ブログ記事で見出しや目次を作るなどのHTML記述は検索流入を得る上で重要だったりしますが、評価基準のウェイトを占めるのはタイトルや本文などのテキスト情報なので、HTMLタグの構造はそれほど意識しなくても良かったりします。STRONGタグにはあまり強調の意味がなかったり、IMGタグのALT属性を設定していなくても検索一位を取れたりもします。とはいえ正しいHTML記述を心がけた方がよいのですが。
また、クローラーにコンテンツを理解してもらいやすくする構造化マークアップが必要になることもあります。
代表的な例だと「ぱんくず」なんかはウェブ制作会社がカスタマイズしているオリジナルのWordPressテーマでは構造化マークアップまで対応していなかったり、非推奨の古い記述のまま無効になっているケースもあります。
HTML構造についてはサーチコンソールを利用しているとエラーを検出することもできるので、気がついたところを修正して改善していく流れでも大丈夫です。
最初から完璧を目指す必要はありません。
ページの表示速度
HTML構文よりも重要なのがページの表示速度です。
データ通信に関わるところでは、画像の圧縮方法や、CSSやJavaScriptなどのアセットのデータ容量が読み込み速度に直結します。サーバーのスペックや設定のチューニングに依存している部分もあり、調整には専門的な知識が必要になります。
画像はJPEGやPNG、GIFなどが一般的ですが、WebPというファイルサイズが小さくなる新しい形式も出てきています。
ページの表示速度が遅くなっても運用に欠かせないスクリプトがあったり、安易に安いサーバーを契約していると根本的に改善できないなど、SEOと運用の間を取るのが難しいところもあります。
ページの表示速度はユーザーの体感にも直接関わるところで、コンバージョン率への影響もあるので、SEOに取り組むかどうかは別にしても、対策を考えるべきです。
トップページの扱い方
対外的なイメージや採用戦略を重視するか、集客や顧客獲得を目的にするかによって、トップページの扱い方は変わってきます。
構造面では、WordPressなどのCMSを利用せずに、静的なHTMLで作られたトップページの場合は、URLにindex.htmlがつかないように統一しておくことで、被リンクが分散してしまう事を防ぐ処理なども必要になります。
基本のページ構成
SEOの内部施策の基礎として、ページごとにコンテンツを分けること、それらを集約するインデックスページ(ピラーページ)を作ることが重要です。
最近のスタートアップ企業でよく見られる、1ページに全ての情報を載せてるシングルページのサイトは、社名検索で一位をとってもサイトリンクを表示させる事ができないので、検索結果の占有面積を取ることができません。
最低限の構成で、トップページ、会社概要、事業概要、採用情報、お問い合わせ、プライバシーポリシーなど、のページを用意して、コーポレートサイトとしての構造を作ることで、Googleに「信頼性のある会社のサイト」と認識させることが第一歩になります。
加えてサービス案内のページを増やしたり、ブログ記事を書き溜めて、サイト全体の情報量を増やす事で、「最適化」のステップに進むことができます。
適切なパーマリンク(URL構造)
競合が多く検索流入の多いキーワードで上位を狙うにはピラーページとコンテンツのセットを作り、ツリー構造のディレクトリを作ってコンテンツを整理しなければなりません。
社内のファイルサーバーだと部署ごとに分かれたフォルダがあり、その配下にファイルが整理されて、目的のものを探しやすいようになっているかと思いますが、ウェブサイトでも同じように、ディレクトリごとにコンテンツを収容するようにしておくと、利用者が情報を探しやすい構造にすることができます。
闇雲にコンテンツを作ってから最適化しようと思うと、URLの変更が必要になり、検索順位が落ちるリスクもあるので、最初に構造を決めて、所定の場所(ディレクトリ)に関連するコンテンツを集める方が、検索上位を目指す近道になります。
内部リンクの重要性
リンクによる評価の受け渡しは自サイト内でも行われるため、内部リンクやアンカーテキスト(リンクの文言)も重要です。
例えば、グローバルナビゲーションのリンク文言を英語にして、ページのタイトルタグは日本語にしていると、検索結果で表示される時にタイトルが書き換えられて意図した通りに表示されず、伝わりにくなったりすることもあります。
主要なページから、リンクされていないページはクローラーも巡回しにくいので、更新の反映が遅かったり、リンクジュースを分け与えることもできないので検索順位が上がりにくいこともあります。
外部から多くのリンクを獲得しているページがあれば、そこを起点として、水の流れを作るようにコントロールすることで、任意のページの検索順位を意図的に上げられる可能性があります。
サイトのページ数はどれくらい必要か
検索順位とページ数は関係がありません。また文字数も多ければ良いというわけでもありません。長文の方が有利な傾向はありますが、文字数やページ数を闇雲に増やしても逆効果になります。
「情報の整理整頓」がSEOの基本です。
例えば、この記事のように1ページ単位でも目次(ページ内リンク)で情報を整理していれば2〜3語の複合キーワードで検索上位は狙えるし、サイトやディレクトリ単位で情報をまとめる事で、単独のビッグキーワードで上位を狙うこともできます。
数万ページある大規模サイトだからといって、ページを作れば検索上位に上がるわけでもないので、ページ数を意識する必要はありません。
検索結果の見え方をコントロールする
検索結果に表示させる情報を操るのもSEOでは大事な施策の一つです。最低限でもタイトルとディスクリプションは押さえておきましょう。
タイトルの付け方
検索結果に表示されるタイトルの最大文字数は全角28〜29文字で、最近ではそれより短くなったり、ページ内の見出しなどの情報からタイトルを書き換えられることもあるので、コントロールが難しくなってきています。
サイト名をしっかりとGoogleに認識させるためには、ページ名との区切りをハイフンかバーティカルバーで区切っておくと安心です。
検索流入のきっかけとなるタイトルはSEOで最も重要な部分と言っても過言ではありません。検索語句とページの関連性はタイトルに含まれるキーワードの影響が強くなります。
狙った検索語句が含まれていないタイトルでは上位表示できないし、キーワードがタイトルの前方にあった方が上位に表示されやすい傾向があります。
キーワードを含めた上でクリックされやすいタイトルをつけるべきなのですが、コーポレートサイトでは信頼性も大事なので、過度に煽るタイトルよりも端的に伝わるシンプルなタイトルをつける方が良いです。
ディスクリプション
タイトルの次に重要なのが、ページの概要を表すディスクリプションです。METAタグで設定した内容か、検索語句に合わせて、ページ内の関連する部分が抜粋されて、検索結果に表示されます。
最大で3行程度の文章が表示されるので、単純に検索結果の占有面積を取ることで、ユーザーの目に留まりやすくなります。ユーザーが求めている情報であればクリック率の上昇にもつながります。
METAタグを設定していない場合は、ページ内のテキストを抜粋してくれるし、検索語句によっては設定したディスクリプションが使われないこともあります。
リッチスニペット
ディスクリプション以外の付加情報がリッチスニペットです。
社名検索で一位に表示された時に、主要なページをすぐに開けるようにするための「サイトリンク」や、URLのディレクトリ階層を日本語でわかりやすく見せる「ぱんくずリスト」なんかは昔からあるのでよく見かけるかと思います。
最近ではディスクリプションと併せて画像が表示されたり、FAQなどの追加情報も検索結果に表示させることができます。
検索一位の表示部分で検索意図に対する回答になる情報があれば「強調スニペット」として表示されるものもあります。
PC検索の右側の枠
Google検索の社名で検索した時に右側に表示される枠には「Googleビジネスプロフィール(旧名称 Googleマイビジネス)」で登録した情報が表示されます。
法人のオフィスの場合はGoogleマップ検索の恩恵は少なくなりますが、登録する事で通常の検索でもマップと併せて表示される機会も出てくるので、必ず登録しておいた方が良いです。
被リンクの増やし方
法人サイトは「活動量=被リンク数」になることが多いです。外部サイトからのリンクを得にくい業種であれば同業者も同じように被リンク獲得に苦戦しているはずなので、相対的に評価される検索順位の仕組みの中で一歩抜け出すには、ウェブ上での活動量を増やす事を意識する方が近道になります。
企業の営業活動から発生する被リンクはnofollowリンクでリンクジュースの評価を得られないことが多いですが、クローラーの巡回を促す効果はあり、会社が認知されれば派生するリンクを得られる可能性はあります。
無理に被リンクを増やす必要はないので、過度な被リンク対策はやめておきましょう。
全く外部からリンクされていないコーポレートサイトなら、プレスリリースか求人からはじめてみてはいかがでしょうか?
プレスリリースを配信する
プレスリリースを打つと、複数の提携媒体にも同時掲載されるので、SEOの視点で見るとクローラーの導線を多く確保することができます。
2次的にメディアに取り上げられれば、より多くのリンクを獲得できる可能性があります。
プレスリリースのタイトルや本文を練って検索上位を狙う手もあります。
求人を行う
求人の案内には必ずコーポレートサイトのリンクを記載するので、採用活動も自然発生する被リンクのひとつです。プレスリリースにも言えることですが、人の流れがある導線はクローラーにとっても巡回しやすい導線になります。
ただし、募集期間が終わると非表示になる場合もあるので、一時的な効果になることもあります。
成果の測り方
SEOのKPIは検索順位と流入数です。成果を測るツールはたくさんありますが、通常の分析であればGoogleアナリティクスとサーチコンソールで十分です。
サーチコンソールを導入する
検索結果での表示回数や順位など、流入前のデータを把握するにはサーチコンソールの「検索アナリティクス」を利用します。
実績確認以外にも、ページのエラーなどサイトの不備を調べることもできるのでSEOには必須のツールです。
アナリティクスで流入数を見る
サーチコンソールではGoogleの検索トラフィックしか見ることはできないので、Yahoo!やBingも含む実際の検索流入数はGoogleアナリティクスで確認します。
ドメインパワーの調べ方
普段はあまり意識する必要はありませんが、ドメイン自体の評価を調べるツールもあります。長年所有しているドメインだからといって価値が高いわけではないので、これまでに得た有効な被リンクやコンテンツの質から評価されるドメインの力を知りたい場合はMOZと言う海外ツールを利用することがあります。
検索順位チェックツール
ローカライズやパーソナライズによって検索順位はその時々で変動することもあるので、専用のツールで検索順位を追う必要はあまりないと考えています。
どうやったら検索順位が上がるのか?
みなさんが知りたいのはたぶんここかと思います。笑
端的に検索順位を上げる方法をお伝えするなら、検索語句に合うコンテンツを用意することから始まり、関連する検索語句での流入を拾い集め、ユーザーのニーズを満たすことができれば、シェアされてリンクを獲得できるかもしれないし、同じ検索語句で再訪問されることがあればサイトの評価につながって行きます。
地道な積み重ねが必要なので、SEOは筋トレのようなものとも言えます。
ただ単純に腕立て伏せや腹筋をするかのように、コンテンツを作り続けるのは辛い作業になります。効率の良い筋トレ方法を知っていれば、ピンポイントに足りない筋力を補うことができるように、Googleに評価されやすいサイト構造や検索のニーズをリサーチした上で、コンテンツを作り込むことができれば、比較的簡単に検索順位をつけることもできます。
なので、検索順位を上げるにはゼロからスタートするよりも、ある程度のページ数と被リンクがあって、SEOを始めようとした方が、取り組みに対する成果が見えやすいことが多いです。根本的にサイトのHTMLやパーマリンク(URL)の構造が悪い場合は、全面的なリニューアルを行ったほうが良いこともあります。
ページ数や文章量はあって流入数が少なく感じるなら、コンテンツの統合やURLの変更を検討して適切なリダイレクト処理で部分的に整理整頓を進めることもできます。
ブログ記事などページ単独で検索順位を上げたり流入数を増やしたいなら、内容の加筆修正を行い、より検索ニーズを満たすコンテンツに仕上げていきます。
とにかく文章量と整理整頓を意識して、周りから評価される(被リンクを得られる)サイトを目指す事で、検索順位は自然に上がってくるはずです。
もし、狙っているキーワードが競合の多い激戦区ならば、専門家の助言を求めた方が早いかもしれません。
具体的な事例
検索順位を追いかけることや流入数を増やすだけがSEOではありません。コーポレートサイトの役割は業界でのポジション取りやブランディングの一環でもあります。
より実践的な事例をいくつか紹介します。
事業フェーズに合わせたトップページのタイトル
トップページのタイトルは基本的に「会社名 | キャッチコピー」の構成にします。キャッチコピーの部分を会社のビジョンやミッションにする事も多いのですが、そうすると一番ドメインの力が集約されたトップページで流入のきっかけになるキーワードを狙う事ができなくなってしまいます。
トップページは主に会社名で検索された時に表示されるので、会社のイメージを伝えたいならばそれでも良いのですが、まだあまり知られていない会社ならば、「どのような会社か」を伝えるために業態や所在地などの検索されやすいキーワードを含めたタイトルにした方が良い場合もあります。
社名が十分に認知されて、業界では有名と言える状況なら、志しを込めたキャッチコピーを見せたほうが検索に表示させた段階からイメージ作りをする事ができます。
同じ社名の会社がある場合の立ち回り
一般的な単語を会社名にしてしまった場合は、指名検索で1位を取ることが最初の目標になります。
「会社名 大阪」や「会社名 業態」で検索したら出てきます!と説明するのもなんだか悲しいものです。唯一無二の一番になりたいと思うのが経営者ではないでしょうか?
そうはいっても社名が被ってしまうことはよくあります。
固有名詞、英単語など一般的な言葉が競合になるならまだ良いのですが、その語句が商品名やキャラクター名など会社名以外のものになると、そのキーワードで一位を取るのが難しくなります。
辞書に載っているような言葉であれば、今は競合するものがなくても、いずれ現れる可能性もあります。
その場合、相手よりもしっかりとサイトを作り込むか、ウェブ上での活動を増やすしかありません。
競合となるサイトのページ数や被リンクを調べて、それを超えるように対策を練っていきます。
会社を立ち上げる前からSEOを意識して社名を考える人は少ないかと思いますが、まだ社名を決めていない場合は検索して同じ社名や屋号のサイトがないかリサーチするとこの困難は簡単に乗り越えられます。
「株式会社〇〇」での検索だけでなく、株式会社を抜いた「〇〇」での検索して調べましょう。
サービスに特化した専門サイトをつくるべきか
一昔前だと専門サイトを作った方が検索上位を狙いやすいこともあり、コーポレートサイトとは別に専門サイトを用意するケースは良くありました。
商材のジャンルにもよりますが、EATが重視される昨今の状況を考えると、会社が提供するサービスならば、会社の名義を軸にブランディングした方が、SEOの面では安全かもしれません。
製品などプロダクトの場合は、会社名と別の名前をつけ、ブランドサイトを立ち上げる方が綺麗に纏まることもあります。
新商品やサービスのリリースに合わせた施策
ページを公開しても検索結果に反映されるまでは時間がかかります。更新頻度が多いサイトでクローラーが頻繁に回ってくるならば、検索結果に表示されるまでの時間が短いこともありますが、検索順位が安定するまでは数週間は見ておいた方が良いです。
サーチコンソールからクローラーの巡回を促して、インデックスリクエストを行うこともできますが、検索結果はロールバックしたり、新規ページは順位が安定しないこともあります。
ローンチに合わせてページを公開すると、プレスリリースを打ったタイミングで検索しても出でこないなど、PRとの連携がうまくいかない可能性もあります。
競合が少ないキーワードであれば、リリース前からティザーサイト(またはページ)を用意して検索順位が安定するまで待機させておくのが安心です。
また、毎年リニューアルするような商品で、毎回URLを変えてしまうと、いつまでも旧商品が検索上位に表示されてしまうようなこともあるので、そのような場合はURLは変えずに上書きで更新していく方が良かったりします。
検索1位を取ったその先
市場を牽引する、いわゆるリーディングカンパニーの立場まで到達すると、検索一位を取ることよりも、検索する人を生み出す施策の方が重要になってきます。
短期的に検索ボリュームを大きく増やすトレンドはウェブマーケティングから作り出すのは難しくテレビなどクロスメディア施策も視野に入れなければ実現しません。
長期的な市場の成長を考えるならマーケティング全体を通してトレンドを作る側に立たなければなりません。
そこまでできるなら、SEOに取り組む価値もより高まるかと思います。